LP(Landing Page = ランディングページ)とは、縦に長い1ページで完結しているWebサイトのことを指します。
Web業界では、「ランディングページ」と読むと長いので、略してLP(エルピー)と読ぶのが一般的です。
下の画像は、LPサイトのまとめサイトです。LPサイトは縦長でデザインレベルが高めなのがわかるでしょうか
といっても、
LP=縦に長くて1ページのもの
という定義が決まっているわけではありません。
ランディングページには2種類の意味がある
Web制作者が「ランディングページ」という言葉を使う時は、実は2種類の意味があります。
Web制作の仕事をするならどっちの意味も覚えておこう
LP=最初にアクセス(着地)したページ
ランディングページは、元々の意味はユーザーが最初にアクセスするページを意味しています。
例えば、ユーザーがgoogleの検索結果から、企業サイトのトップページではなく特別な商品ページに直接アクセスした時、このページのことをランディングページと呼びます。
ランディングとは「着地」という意味です。
googleのアクセス解析ツールgoogleアナリティクスでも「ランディングページ」という項目がありますが、この項目をみると自サイトがどのページからの流入が多いかを調べることができます。
ランディングページを解析することで、そのサイトがどういうキーワードで流入されているか、どういうルートで閲覧されているかということがわかり、サイトの運用に大きく役に立つのです。
ランディングページ=ユーザーの最初の着地ページという概念は覚えておいてください。
わかりやすく「入口ページ」と言ったりもします
LP=ユーザーを最終目的に誘導させる縦長のページ
もうひとつのランディングページの定義は、最初に例に出した様な
縦長レイアウトのWebページのこと
を指します。
2024年現在、「ランディングページ(LP)」はこの縦長Webページの方を示すのが一般的です。
特に顧客側が「LPが欲しい」と言ったのであれば、この縦長ページという共通認識でいいと思います。
LPはリスティング広告やSNS広告用のページ
LPは、リスティング広告・SNS広告といったWeb広告をクリックした際に、一番最初に開かれるページになります。つまり、最初のアクセス(着地ページ)という意味では、先に説明したランディングページと同じ意味合いになるんですね。
LPは、広告用として作られた1ページのみサイトになり、一般的なwebサイトとは目的や特徴が違ってきます。
なぜこの縦長LPが生まれたのか、一般的のWebサイトと何が違うのか、そんなことを解説していきたいと思います。
webサイトとの違いとその特徴
普通のWebサイトは、商品やサービスの紹介、自社の情報、アクセスマップ等の種々多様な情報を複数のページにわたって紹介しています。訪れたユーザーにまんべんなく情報を届ける役目があるからです。ページはそれぞれリンクで繋がれています。
一方LPは、訪れたユーザーに「商品購入」「資料請求」といった何らかのアクションを起こすに誘導させることに特化して作られたものです。
作られる目的がまず違う。LPはアクセスが多くてよかったね、じゃダメなんです。資料請求や問い合わせの数を確保してはじめて成功になります。
リスティング広告やSNS広告は、広告費がかかります。なのでクライアントとしては、確実に売上を上げて広告費をペイしたい。ただ公式サイトを宣伝するよりも、より売上に結びつく確実なwebページを別に用意しようと考えます。
なので、LPは、より強いアピール力と説得力、高いデザイン性、ユーザー導線の貼り方が重要視されます。
その結果、LPはよりオリジナル感が強くなり、制作に手がかかり予算も高い場合があります。
特に大変なのが、最初のワイヤーフレームと呼ばれる設計の部分ですね。
- ユーザーがページを見た瞬間に帰ってしまう確率(直帰率)を下げるアイディア
- ユーザーを惹きつける情報を読ませる工夫
- 説得力のある数字を明確に出す
- イラストや図でわかりやすく伝える
などなど、しっかりと構成を練る必要があります。
LPの最終目標と特徴について
どのLPでも、まず最初に最終目標を決めます。
目標の具体例は、「商品の注文完了」「お問合せ」「資料請求」「説明会予約」等ですね。
ちなみに、この目標のことをWeb用語で「コンバージョン」(成約)と言います。
そして、ユーザーが無事目標までたどり着くよう、LPのフォーマットと呼べる特徴的なものができあがりました。
それが以下です。
- 通常のWebサイトとは別に稼働させ、単独ページとして作り込む
- 1ページ単品で終わり、他へのリンクはほとんどない(外へ逃がさない)
- 訴求したい商品/サービスの情報を全て詰め込む。1ページでのアピールがすごい
- お問合せや注文フォームボタンへ誘導させる導線の作り込み
- 検索エンジンはあまり意識しない
LPは、いわばクロージングになります。お店に行って店員に密着されて接客を受ける様なもの。
他の商品も見てみたいという浮気心を起こす前に、強固な説得力で詰めてきます。
ユーザーもLPを読んでいるうちに「とりあえず資料請求しとくか」と言う気持ちになってくるような作り込みです。
LPの作り方
LPは通常のWebサイトと一緒で、デザインソフトでデザインを作ってHTMLコーディングしたものをネット上にアップします。
LPの特徴の一つとして、デザインのクオリティの高さが上げられます。
一目で人を惹きつけるファーストインパクトがあり、かつ読みやすいように情報もレイアウトされていなければいけません。結果、求められるデザイン性は高くなります。
公式サイトと違ってヘッダーやフッターを全ページに合わせる必要がなく、1ページのみのデザインですので、Webデザイナーとしては余計な制約がないため、自由にデザインを作ることができます。
それではHTMLコーディングの方はどうでしょうか?
LPのコーディング案件を何度か受注したことがありますが、高レベルのデザインに対して、HTMLの出来はあまり重要視されません。
「HTMLは適当に組んでくれていいから納期重視で」なんて言われたりします(余談ですが、LPコーディングは納期がギリギリな時が多いです)
デザイン重視&1ページの限定ページなので、汎用的なCSSを設計する必要もありません。
また、LPは検索エンジン対策(SEO)は、基本的に無視して作られています。広告から直接アクセスさせるので、SEOの内部施策をする必要がないんです。
ひどいLPになると、ほぼ画像でごまかしていたり、自動コーディングツールに頼りまくっているのも。納期が大変だったのだと思いたい。
LPの相場
LPほど費用がピンキリなものもないです。
1ページのみといっても情報量が多く、また広告としての訴求力が高く無いといけないのでそれなりのレベルのものが求められるため、トータルでの価格は決して安くはありません。
クラウドソーシングでフリーランスの受注価格の最低ラインは5万円程(ただしクオリティ不明)、それなりの制作会社に依頼するのであれば、30万〜100万円近くかかるケースもあります。
まとめ
5点で要点をまとめます。
- LPとは、広告をクリックした後のリンク先のページである
- LPは、閲覧だけでなくユーザーにアクションさせるまでが目的でありゴール
- 1ページ完結型でクロージングのサイト。だからボリュームが多く縦長になる
- LPはデザイン重視。コーディングは二の次。
- LPの相場はピンキリすぎる
LPは奥深い領域です。作っては分析の繰り返し。
デザインとWebマーケティングの勉強になるので、とても良い教材でもありますね。