フリーランスデザイナーのフクです。Webデザイナー歴は20年になります。
私は会社員デザイナーとフリーランスの両方を経験してきましたが、働き方や1日の流れはまったく違います。
特に、在宅ワークでは家事・育児との兼用もあり、時間の使い方も大きく変わります。
ただ、共通しているのは、納期前は一気に忙しく、そうでない時期はわりと落ち着いているということ。
Webデザイナーは特に、この振り幅が大きい仕事だと思います。
この記事では、私の実例をもとにWebデザイナーのリアルな1日と、具体的な仕事内容や残業についてもまとめました。
サンプルとして参考になれば幸いです
この記事を書いた人


- Web業界歴20年
- 会社員デザイナー →フリーランスへ
- 一児の母・在宅ワーカー
業界の片隅で20年近くやってきました。これからWebデザインを学びたい未経験の人のために情報をまとめています
Webデザイナーの主な業務について
Webデザイナーの普段の業務は以下になります。
- Webサイトや広告バナーのデザイン作成((PhotoshopやFigmaというツールを使います)
- HTML・CSSを使ったコーディング作業
- サイトの更新・画像修正・運用サポート
- クライアントとの打ち合わせ(対面・Zoomなど)
- クライアントとのやりとり(メールやLINE、電話など)
- トレンドや最新スキルの勉強(インプット)
Webデザイナーの仕事は基本ひたすらデスクワークですが、打ち合わせや社内MTGは会社員でもフリーランスでも絶対にあります。
でも最近は、直接会わずにZoomやLINEでサクッと済むことが多いので、思っているより負担は少なめです。
そして、どの働き方を選んでも欠かせないのが、勉強時間。
スキルのアップデートが早いので、仕事の合間に情報収集したり、新しいツールを触ってみたり…そんな時間も日常の一部です。
次に、Webデザイナーが1日の中でどんな流れで作業しているのか、実例を交えながら紹介していきます
会社員デザイナーについて
会社員Webデザイナーの1日のスケジュール
9:30
出社
会社にもよりますが、多くのWeb会社はフレックスを取り入れているところも多いので、出勤時間がゆっくりなところが多いですね。
9:30 – 10:00
メールやSNSのチェック、今日やることの確認
朝イチで、メールと連絡ツールを確認します。チームで動いている案件があれば、進捗共有やグループワークのチェックは必須。
その後、今日の ToDoリストを整理。納期ギリギリの案件や急ぎの修正が入りやすいのがWebデザイナーの仕事なので、優先順位づけはほぼ毎日の習慣です。
その後、Web関係のニュース・SNSをチェック。本格的な仕事は10時から開始です。
10:00 – 10:30
定期的な更新作業など
担当しているサイトの定期更新を行います。作業的な内容が多いので、エンジンかかる前の朝の作業にピッタリ。サクッと終わらせます。
10:30 – 11:30
抱えている案件のデザイン制作
担当中の制作案件のデザイン作成にかかります。午前中はあっとう間に時間がすぎます。
11:30 – 12:00
午後のMTGに向けての資料まとめ
午後にクライアント(お客様)とのミーティングがあるのでその準備にかかります。先方に見せるデザインラフの最終確認や、ヒアリングリスト、参考資料の用意など。
12:00 – 13:00
お昼休憩
特に何もなければ一時間の休憩。ただし、急ぎの修正や、MTGの準備などに終われてほぼ時間が取れないことも多々あります。
12:00 – 13:00
クライアントとのzoomMTG
Zoomで現在進行中の案件の打ち合わせ。デザイナーだけで対応することはなく、Webディレクターや営業も一緒にチームで動くのが基本です。先輩デザイナーが同席することも。
会議をリードするのはディレクターや営業で、デザイナーはデザイン案について意見を求められたときに発言する役割が多いです。
14:00 – 16:30
デザイン制作再び
打ち合わせが終わったらまたデザイン制作作業に入ります。午後はしっかり集中して進めたい時間なんですが、実際はなかなかそうもいかないですね…
16:30 – 17:30
合間に入る急ぎ作業の対応
デザイナーは、ひとつの案件だけを担当することはほとんどなく、複数案件を同時に担当するのもめずらしくありません。なので、メイン作業の途中に、更新作業や別案件の修正依頼が、突然ふってくることも多いです。
さらに、クライアントや同僚からの連絡もチャットでポンポン届くので、正直ずっと集中はなかなか難しいです。
18:00 – 19:00
社内MTG
社内ミーティングでは進捗状況や課題の共有を行います。
ミーティングの頻度は案件の状況次第。ディレクターが段取り上手なら、デザイナーの作業時間を優先してくれて、会議は最低限・短時間で終了しますが、良くないディレクターだと、なんでもすぐミーティングしたがったり、社外同行に何度も連れて行かれる…なんてこともあります。
17:30 – 18:00
急に頼まれた作業
急な依頼ふたたび。急な依頼が多いのがWebデザイナーの特徴の一つです。
簡単な直しならいいのですが、結構な時間を取られるものもあります。
18:00 – 19:00
デザイン制作(残業)
この日はミーティングも多くほとんど制作が進められなかったので、止まっていたデザインをきりのいいところまで残業して進めることに。
残業はできれば避けたいけれど、デザイン作業そのものは嫌いじゃないし、この日は気分も乗っていたのでサクサク進みました。
日によって残業時間が違うのですが、平均して一日に8〜10時間くらいの労働時間ですかね
Webデザイナーの残業は?急な依頼でずるずる残業は多い
Webデザイナーは、残業は基本的にあります。「急な依頼」が多く、対応しているうちにメインのデザイン制作が進まず、遅れを取り戻すために残業するはめになるというのがよくあるケースです。
特に納期前は修正が重なり、残業もぐっと増えます。休日出勤や、自宅でリモート作業をしているデザイナーも少なくありません。
働き方改革が進んだとはいえ、納期がある以上、業界の体質としてブラック寄りの会社もまだ多いのが現実です。
そのせいで、「作業は好きだけど、この働き方は続けたくない」と感じて独立する人が多いのも納得です。
ただし、納品が終わった直後は一気に落ち着くので、定時で帰れる日もちゃんとあります。
ほとんどのデザイナーはデザイン自体は好きなので、文句が出るのは作業内容よりも作業量が多すぎることや理不尽な作業(修正)なんですよね。
Webデザイナーの就業時間は?フレックスや在宅リモートが多い
Web・ITの会社は、フレックス制を導入しているところは多いです。
また、コロナ禍以降は特に完全リモートを取り入れたり、仕事の量は軽くはないものの、働き方はわりと柔軟な環境が整っています。
デザイン業務というのは、手が速い人もいれば遅い人もいて、スピード=良いデザイン、というわけではありません。
その辺りは会社側も理解しているので、個人の裁量に任せた働き方を推している企業もあります。
Webデザイナーの休日は?インハウスなら安定、制作会社はプロジェクト次第
もちろん休日はあります。
大手インハウス(自社サイトのデザインだけをする)デザイナーなら福利厚生がしっかりしていて、休みは比較的安定しています。
一方、制作会社勤務だと残業やリモート作業が続くこともあり、ハードに感じる人もいます。それでも、休日がまったく取れないということはありません(一昔前はありましたが…)
プロジェクトの区切りで有給を取ったり、連休とつなげて長めに休んでいる人も多いです。
同じ業務ができる同僚がいれば「お互い様」で休みやすいのもデザイナー職の特徴です。
以上が、会社員デザイナーの職場環境についての一例です
フリーランスデザイナーの場合
次にフリーランスWebデザイナーの例として、私の一日を紹介します
フリーランスWebデザイナーの1日のスケジュール(出産前)
- 8:00 – 09:00
メールやSNSのチェック、今日やることの確認。情報収集 - 09:00 – 10:00
定期的な更新作業 - 10:00 – 12:00
制作作業。合間にクライアントとのやりとり - 12:00 – 13:00
ランチ休憩 - 13:00 – 13:30
打ち合わせのための準備 - 13:30 – 14:30
クライアントと打ち合わせ - 14:30 – 18:00
制作作業。合間にクライアントとのやりとり - 18:00-
作業終了。最新スキルの勉強など
フリーランスでは、会社員時代の通勤時間のロスや業務と関係ない雑務は、全てなくなります。
上記のようなきれいなスケジュールではなく、合間に運動する時もあれば、18時以降もずっと作業を続けたり、一日中勉強だけで終わる日もあります。
自分の裁量で時間を使うことができるのが、フリーランスのよさです。
夜型の人も多いですが、私は朝型を続けていました。クライアントは日中に働いているので、昼に連絡がつかないと不安になるのは、会社員時代に身にしみてわかっていたからです。
フリーランスWebデザイナーの1日のスケジュール(出産後)
出産後、幼児が一人いた場合の1日のスケジュールです。
- 8:30
保育園に預ける - 8:30 – 9:00
家事 - 9:00 – 9:30
メールやSNSのチェック、今日やることの確認。情報収集 - 9:30 – 10:30
定期的な更新作業 - 10:30 – 12:00
制作作業。合間にクライアントとのやりとり - 12:00 – 12:30
ランチ休憩 - 12:30 – 13:00
打ち合わせのための準備 - 13:00 – 14:00
クライアントとzoomで打ち合わせ - 14:00 – 15:30
制作作業。合間にクライアントとのやりとり - 15:30 – 16:30
急な依頼の更新作業 - 16:30
保育園お迎え - 21:30 –
制作作業&情報収集
子供が保育園だったので、1日の仕事の時間は7時間程と十分確保できた方だと思います。
7時間あれば十分かと思うかもしれませんが、出産前は1日の半分が仕事という感覚だったので、働ける時間はだいぶ少なくなりました。
子供が体調を崩すとその日はほとんど仕事はできませんでした。
また、日中になかなか作業が進まず、子供を寝かしつけてからもう一踏ん張りといったスタイルが多くなってきました。
ただ、出産前と違って、だらだら作業するクセはなくなり、決まった時間で仕事を終わらせるメリハリはつきました。
フリーランスWebデザイナーの休日は?あえて平日に取る場合も
休日を自由に決められるのがフリーランスの良いところ。クライアントが休みで連絡が来ない休日にあえて仕事を進めたり、逆に世間が空いている曜日にあえて休暇をとって遊びに行くことも可能です。
ただ、クライアントの中には、金曜日の夜に「月曜日の朝までにお願い」という依頼を悪びれもなくしてくる人もいますので注意してください。
最初は我慢していましたが、実績が増えるにつれ、人の休日を平気に潰すクライアントとは徐々に距離をおくようにしました
独立前と独立後、就業時間と収入の変化は?
収入の変化は、独身時代のフリーランス > 会社員時代 > 子供がいるフリーランス、の順で多いです。
家族のことを考えることなく仕事に時間を費やせた時代が一番収入がよかったです。
今は少し収入が下がってしまいましたが、その分家族の時間は増えました。自分の生活スタイルに合わせて仕事を変化できるのも、フリーランスの魅力だと思っています。
子供がいるフリーランスのデメリットをまとめた記事もありますので気になる方は読んでみてください。


Webデザイナーの1日を振り返って
会社員デザイナーの頃は、何時間会社にいても仕事が終わらず、仕事が終わっても次の案件がすぐ降ってくる毎日でした。
社内にいると小さな修正や頼まれごとも多く、勉強の時間を確保するのが本当に難しかったです。
ただ、会社にいると自然と最新情報が入ってきたり、任された案件をこなす中でスキルが勝手についていくというメリットもありました。
一方フリーランスは、会社員時代とは真逆の時間の使い方をすることができました。
誰かに振り回されることが減り、自分がやりたい勉強に集中できるので、ストレスはかなり少なくなりました。
また、やっぱり通勤時間がゼロなのは大きなメリットです。
逆にフリーランスで厳しいと思ったのは、勉強時間の確保しておかないと、Web業界の進化から取り残されそうな不安が常にあることです。情報のアンテナを貼り続ける力は会社員デザイナーより必要ですね。

