【質問・悩み】
会社での人間関係が苦痛で、フリーランスになりたいと思っています。
でもコミュ障なので、クライアントとのやりとりや営業ができるか不安です。
そもそもフリーランスって、コミュニケーション能力が高い人じゃないとできないイメージがあって。
コミュ障でもフリーランスWebデザイナーはできますか?
最初に一番伝えたいことを書きますと、コミュニケーションが苦手であれば、フリーランスという選択肢は、大きな価値があります。
私も会社員時代を経てフリーランスになりましたが、あの時の苦痛だった人間関係の悩みはほぼなくなりました。
会社員時代はしんどかった。上司との関係、同僚との空気、雑談。そういうものから解放されました。
コミュ障のままフリーランスWebデザイナーを10年以上やっています。
営業も得意じゃないし、電話も苦手です。SNSすら好きではありません。それでも仕事は続いています。
コミュ障でもフリーランスWebデザイナーはできます。
ただし、クライアント(お客様)がいる以上、100%コミュニケーションなしではできません。
別のコミュニケーションの難しさはあります。
そこにどう折り合いをつけるか、そして現実的にどうがんばればいいかというのを、提案したいと思います。

フリーランスの人間関係は会社員とここが違う
会社員のしんどさは、関係を選べないことにありますよね。
フリーランスなら、合わないクライアントとは次の案件を受けなければいい。
私自身の話をすると、フリーランスになってからは1日ほぼ誰とも話さない日がざらにあります。
仕事も自分のペースで進められるので、会社員時代のような「常に誰かに見られている」感覚がありません。
やりとりのほとんどがテキストなので、じっくり考えてから返信できます。
口下手でも、文章なら丁寧に伝えられる。コミュ障にとってこれは大きいです。
でも正直、しんどいクライアントがいたことも何度もあります。
でも案件が終われば関係も終わります。合わない上司と何年も同じ職場にいる会社員とは、根本的に違います。
フリーランスWebデザイナーって実際どのくらい話すの?
「会話する」ということは、会社員と比較するとほとんどありません。
基本は、チャットツールやメール、たまにzoomで打ち合わせをすることもありますが、それでも外で働いていた時よりはずっと会話は減っています。
昔は電話も多かったですが、年々減っていますね。私自身、月に一度も電話しない月があります。
テキストで丁寧にやりとりできるのであれば、コミュ障でも十分クライアントワークができます。
コミュ障が狙うべき仕事ジャンル
フリーランスの仕事の取り方は、どういうものだと思いますか?
SNSで積極的に発信して、積極的に自己アピールをしていくイメージですか?
それで続いているフリーランスは、本当に一握りです。その一握りすら、成功しているように見えて、実は売上が安定していないケースも少なくありません
ほとんどのフリーランスはもっと水面下で、紹介案件やストック型で稼いでいる人がほとんどです。
狙う仕事によって、コミュニケーションの量は大きく変わります。
おすすめは以下の3つです。
LP制作・Web制作の下請け
制作会社から仕事をもらう下請けスタイルです。
営業は制作会社の人がやってくれるので、流してきた依頼に対応すればいいだけというコミュ障向けのスタイルです。
そしてエンドクライアントと直接話さなくていいので、無茶な要求や急な仕様変更も制作会社側でコントロールしてくれることが多いです。
私も下請け歴は長いですが、クライアントに振り回される率は、直接受注より大幅に減ります。
ただし注意点もあります。たまにフリーランス側を振り回しまくる制作会社もいます。
最初の数回のやりとりで判断して、合わないと感じたら無理に続けない方向にもっていきましょう。
ストック型の収益
ココナラというプラットフォームでは、自分のデザインを商品として値段をつけて出品できます。
例えば、「バナー制作 5,000円」など。
こうすると、自分から営業しなくとも興味のある人が購入してくれるので、営業いらず。
問い合わせから納品までほぼテキストで完結するので、コミュ障には向いています。
来た人だけ対応すればいいので、営業を断られる恐怖もありません。
注文相手も実績を見て依頼をしてくるので、実力との齟齬もそこまでありません。
コーディング・実装案件
デザインというよりコードを打つ方のお仕事です。
デザインと違って正解がはっきりあるものですし、基本的には仕様書通りに作るだけなので、やりとりが少なくコミュ障向きです。
HTMLコーディングだけでなく、StudioやWixなどのノーコードツールでの実装案件も増えているので、そちらも選択肢に入れておくといいです。
スキルを磨くことがコミュ障Webデザイナーとしての最強の武器
ただし、どの仕事スタイルを選んでも、前提として自分の武器となるスキルが必要です。
下請けに選ばれるのも、ココナラで指名されるのも、結局はデザイン力があってこそです。
逆にいうと、フリーランスの世界は企業デザイナーと違い、営業がうまければ、そこそこでしかないデザイン力でも仕事はとれます。相手がデザイン力を求めていない場合もあるからです。
でも営業は苦手…それならば、やはりスキルを磨くしかないです。
コミュ障の人が仕事を取るための一番の近道は、スキルを磨くことです。
「話せないなら、作るもので語る」という姿勢が、コミュ障のフリーランスには一番合っています。
幸い、他の仕事と違って、デザイナー職は成果物さえあれば仕事はちゃんと取れます。
営業トークがうまくなくても、ポートフォリオが強ければ向こうから声がかかりますよ。
なので、どうしてもフリーランスになりたい人は、とにかくデザイン力を鍛えること。
会話を最小限にする仕事の進め方
コミュ障のフリーランスが意識すべきは、「なるべく交渉しなくていい仕組みを最初に作ること」です。
ヒアリングシートを用意する
最初の打ち合わせをなくすために、ヒアリングシートをあらかじめ作っておく。
ヒアリングシートとは、聞いておきたい質問内容を紙にまとめたものです。
いちいち会話でやり取りすると疲弊するので、「まずこちらのシートに記入してください」と送るだけで、対面や電話の機会が大幅に減ります。
テキストでのやりとりを基本にする
「基本的にはメール・チャットでのやりとりをお願いしています」と最初に伝えてしまう。
昔は嫌がる人もいましたが、今は逆にそうですよねってノリの方も多いです。
ルールを明文化する
「修正は〇日まで」「修正指示はテキストでお願いします」と契約時に決めておく。
曖昧なやりとりが減って、余計なコミュニケーションが発生しにくくなります。
コミュ障でも信頼を作る最低限のルール
話すのが苦手でも、これだけ守れば信頼は作れます。
即レスを習慣にして「安心感」を売る
とにかく即レスが基本。コミュ障でもすぐにレスを返すのは鉄則にしましょう。
内容が難しくてすぐ返せない時でも「確認して〇日までにご連絡します」と一言送るだけで印象が全然違います。
お客様にとって、返信がないのが一番不安を駆り立てます。
納期厳守は絶対。できれば「前倒し納品」を狙う
納期を守ることは最低限のルールですが、少し早めに納品できると「仕事が早い人」という印象になります。
それだけでリピートにつながります。
チャットやメールでの文面上は、必ず丁寧な接客を心がける
対面では口下手でも、テキストでは丁寧に書けます。メールやチャットの文面だけは、丁寧な接客を意識してください
コミュ障でも文章は練って書けるのが強みです。
たまに要件のみで挨拶をしないフリーランスもいて驚きますが、丁寧な挨拶を心がけるだけで相手の印象は180度変わります。
・いつも大変お世話になっております。
・このたびはお声がけいただき、誠にありがとうございます。
・ご依頼内容を確認いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
丁寧な文面は、コミュ障の人にとって一番安全な武器です。
お断りの場合も、「また声をかけてもらえる断り方」を意識するだけで、次の仕事につながります。
例)
このたびはお声がけいただきありがとうございます。 大変恐れ入りますが、現在スケジュールが埋まっており、誠に心苦しいのですが、ご対応が難しい状況です。
◯月以降ならスケジュールは空いております。
必要以上に対等になろうとしない
フリーランスとクライアントは対等な関係ですが、最初から対等に振る舞おうとすると摩擦が生まれやすいです。
最初は丁寧に、信頼関係ができてから徐々に距離を縮めていきましょう。
コミュ障のための営業戦略
コミュ障が一番しんどいのが営業です。知らない人に声をかける、売り込む、断られる。考えるだけで消耗しますよね。
それでも、会社員の人間関係よりはましとは思いつつ、フリーランスは、営業とは切り離せないものでもあります。
以下に、コミュ障の戦略をまとめてみました。
SNS発信で来てもらう
世の中にはSNS発信なら得意というコミュ障の方もいらっしゃると思います。私は逆なのでこの戦法は苦手な方ですが…。
SNS上なら全然発信できるという人は、ひたすらSNSで発信を続けましょう。売り込みが苦手なら発信だけでもいい。
実直に発信していると意外と声がかかります。
ただしSNS営業に頼りすぎは注意。運の要素が強いのと詐欺に注意なところ、また継続して声がかかるのは難しいので、あくまで自分のPRの場だと思いましょう。
プラットフォームに出品する
先ほども書きましたが、ココナラはコミュ障向けのプラットフォームです。
出品するだけで、興味がある人から連絡が来ます。来た人だけ対応すればいいので、断られる恐怖がありません。
既存クライアントに継続してもらう
新規開拓より、今のクライアントに継続して発注してもらう方が圧倒的に楽です。
そのためには目の前の仕事を誠実にしっかりとこなすこと。関係が深まるほど、やりとりもスムーズになります。
紹介経由を大切にする
一人のクライアントを丁寧にサポートすると、紹介が生まれます。実際世の中のコミュ障フリーランスの仕事のほとんどは、この紹介案件で回っています。
紹介経由は信頼関係がすでにある状態なので、コミュ障でも話しやすいです。

軌道に乗るまではフリーランスは大変です。
でも逆にいうと、軌道にさえ乗れば、コミュ障にとっては非常に安定した暮らしが待っていますよ。
それでも避けられないコミュニケーションの乗り越え方
完全にゼロにはできないのがコミュニケーションです。
たまに電話が必要な場面、初回の打ち合わせ、修正が多くて直接話した方が早い場面。
そういうときの心構えを一つだけ言うと、「うまく話そうとしない」ことです。
コミュ障の人が緊張する理由の多くは、「うまくやらなければ」というプレッシャーです。
でもクライアントが求めているのは、流暢なトークではなく、仕事の誠実さです。
言葉が詰まっても、ゆっくり話しても、それがあなたのキャラクターとして伝わります。
誠実に対応し続けることが、一番の信頼につながります。
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この記事を書いた人


- Web業界歴20年
- 会社員デザイナー →フリーランスへ
- 一児の母・在宅ワーカー
業界の片隅で20年近くやってきました。これからWebデザインを学びたい未経験の人のために情報をまとめています
