【フリーランスの確定申告】青色申告と白色申告の違いと青色申告のメリットをわかりやすく解説

フリーランス(個人事業主)の確定申告には、「青色申告」「白色申告」という2つのやり方があります。

個人事業主本人が自分で青色か白色かを選択できるシステムです。

どちらを選んでもいいのですが、メリットが大きくお得なのは断然「青色申告」の方です。

なんで青色申告の方がメリットが高いのか、白色申告はなぜダメなのかを具体的に説明していきますね。

この記事を書いているのは、Webデザイナー歴17年の現役フリーランスです

 

目次

青色申告と白色申告の違い

ものすごくざっくりというと

青色申告→やることが多くて手続きが面倒だけど、その分節税メリットが高い

白色申告→簡単にできるけど、節税メリットが低い

です。

節税メリットというのは、税金が安くなるということ。青色申告には、実に40種類以上の税制上の特典があり、節税効果が抜群です。これを逃すとせっかくの節税のチャンスを活かせません。

なので、フリーランスの方には絶対に「青色申告」をお勧めします!

もう少し具体的に説明しますね。

青色申告には、”複式簿記で帳簿をつける義務”があります。

一方白色申告は、簡易帳簿でOKです。

複式簿記というのは経理の専門的な記帳方法で、素人にはちょっと難しくとっつきにくいものです。

そのため青色申告は長いこと個人事業主にとって高いハードルでした。

時間も知識もない個人事業主は、手取り早く確定申告を終わらせることができる白色申告にする人が多かったのです。

しかし、今の時代には、会計初心者でも簡単に経理ができる画期的な会計ソフトが誕生したおかげで、青色申告へのハードルがグッと下がりました。

会計ソフトがあればシステムが勝手に複式簿記の帳簿を作ってくれますので、多くの個人事業主が青色申告へとシフトしました。

特にデザイナーやエンジニアの場合、商品の仕入れや在庫等があまりなく、ほぼ人件費のみですので非常にシンプルな経理になります。

さらに、会計ソフトは、オンライン確定申告とも連動していますので、会計ソフト内で、

複式簿記の帳簿を作る→確定申告書類を作る→自分の市区役所の税務署にオンラインで確定申告

という作業を一気に行うことができます。

また、白色申告は年々制約が増えてきて、今やメリットは青色より少しだけ楽ということ以外ほぼありません。

青色申告の節税効果は万単位で違ってきますので、フリーランスは断然青色申告にするべき

青色申告の節税メリット

青色申告を行うと、たくさんの節税効果があると書きましたが、中でも一番有名なのが「青色申告特別控除」。最大なんと65万円の控除を受けることができます。

控除とは、所得額から差し引きすることで税金を安くすることができる、国が設けているシステムです。

例えば、年間売上300万円のフリーランスデザイナーがいるとします。経費の年間合計額は40万円と仮定します。

300万-40万=260万円

260万円が彼女の所得額となり、この260万円に対して税金がかかってくることになりますが、「青色申告特別控除」はここからさらに最大65万円差し引きすることができます。その結果、所得額が低くなりますので、税金がさらに安くなるということなのです。

300万-40万-65万(青色申告特別控除分) = 195万円

となりますので、本来260万円にかかる税金を払わなくてはいけないところを、195万円にかかる税金でよしとなるわけです(実際は、青色申告特別控除以外にもいろいろな控除があるので、もっと税金は安くなります)

 

所得税のより具体的な計算方法は以下の図も参考にしてくださいね。

所得税の計算方法

控除については「初心者でもわかる!控除について」の記事にもまとめてあります。

 

また、青色申告をすると、所得税だけでなく住民税も安くなりますよ。

税金を減らすなら、青色申告一択!

 

青色申告にするための条件

青色申告をするには、いくつか条件があります。

条件1:事業所得でなければいけません。株等の収入はNGです

条件2:開業届を税務署に提出していなければいけません
開業後2ヶ月以内に提出しましょう。未提出の場合は白色申告しか選べません。

条件3:青色申告承認申請書を税務署に提出していなければいけません

確定申告をする年の3月15日までに提出しなければいけません。(2024年に確定申告する場合、2023年3月15日まで)その年に開業する場合は、開業後2ヶ月以内になります。未提出の場合は白色申告しか選べません。

条件4:「複式簿記」でなければいけない
複式簿記のやり方がわからず昔は多くのフリーランスが挫折しましたが、今は会計ソフトを使えば、素人でも簡単に作れます。おすすめソフトは「freee会計」です。

条件5:「損益計算書」と「貸借対照表」の提出が必要
なんのことかわからなくても会計ソフト「freee会計」を使えば、自動で作成してくれます

会計ソフトはさまざまな種類がありますが、経理素人でもストレスなく扱えるのは断然「freee会計」です。30日間の初回無料期間もありますので、まずは触ってみてください。

フリーランスの会計ソフトに「freee会計」をおすすめする理由はこちらの記事にまとめています。

青色申告で最大65万円の控除を受けるための条件

2023年現在、青色申告の控除は10万〜最大65万円と幅があります。

一番大きい額の65万円の控除を受けるには、少し条件があります。

先ほどの青色申告をする条件とも被るのですが、

・複式簿記であること

・所得の種類が山林所得のみでないこと

・損益計算書と貸借対照表を添付すること

上記が守られていないと、控除額は10万円に減額されます。

さらにもうひとつ一番大事な条件があります。

・e-taxで申告すること
これは令和2年から新しくできた条件です。e-taxとは電子申告のことです。オンライン上で申告しろということですね。これができないと、控除額は65万円から10万円減らされて、55万円に減額になります。

ただし、今は会計ソフトをつかったオンライン申告が主流で、会計ソフト側もオンライン申告を前提とした仕様になっています。なので、難しい条件ではありませんのでご安心を。

 

青色申告の際に必要なもの

次に青色申告で確定申告をする際に、実際に何が必要なのかをみていきましょう。

リストを上げると以下になります。

  • 開業届&所得税の青色申告承認申請書
  • オンラインの会計ソフト
  • 使った経費の領収書
  • 売上の請求書
  • 控除証明書

これらを具体的に見ていきましょう。

開業届&所得税のvが必要

まずは、自分が住んでいる地域の税務署に

開業届

・所得税の青色申告承認申請書

の提出が必須です。この「青色申告承認申請書」と「開業届」は必ずセットで出すようにしましょう。

この書類を提出していないと、その年の確定申告で「青色申告」を選ぶことができません

また、これらの書類は、開業から2ヶ月以内に提出しなくてはいけません。もし提出を忘れると、その年の確定申告は青色申告ではできません!忙しくても期限切れには気をつけてくださいね。

初年度は白色申告にして翌年から青色申告に変更したい場合は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出するようにしましょう。

書類は、近くの税務署の窓口またはインターネットからダウンロードができます。提出は税務署の窓口で受けつけている他、郵送でも可能です。

また、開業届の書き方にお悩みの場合、「freee開業 」(無料)を利用することで、オンライン上で簡単に書類を作成することができ、マイナンバーカードさえあればオンラインから税務署に送付することもできます。

完全無料なので、使わない手はない!

自分で税務署に行ってあれこれ書類を書く手間もなく、スマホだけで数分で手続きが完了します。

さらに「freee会計」と連携するとさらに便利になりますよ。

会計ソフトが必要

青色申告書を提出する際には、以下の書類の提出が義務付けられています。

・複式簿記

・損益計算書

・貸借対照表

これらは会計ソフトで作ることができます。簿記の知識がない方には「freee会計」がおすすめです。

経費の領収書が必要

先程の複式簿記といった帳簿を作るためには、その年で使った経費を台帳にまとめなければいけません。そのためには、経費の領収書が必要になります。経費として購入した商品の領収書、クレジットカードや電子マネーであればその明細、これらは必ず保管しておいてください。オンライン明細であれば印刷しておくと万全です。

もし外注を使った場合は、外注先に送った請求書のコピーをとっておいてください。また、支払った時の振込の口座明細が必要になります。もし現金でやりとりした場合は、領収書をもらうようにしましょう。

売上の請求書が必要

お客様に送った請求書はすべてコピーをとっておいてください。データでもOKですが、消えてしまわないよう注意してくださいね。

控除証明書が必要

確定申告の際には、控除というシステムを使ってぎりぎりまで税金を安くすることができます。

それには、「控除証明書」という書類が必要です。この証明書は、葉書等で自宅に送られてきます。

だいたい10月〜12月に送られてくることが多いのですが、絶対になくさないでください。再発行は面倒です…。

控除証明書については「初心者でもわかる!控除について」にも詳しく書いています。

以上が、

白色申告とは?

最後に白色申告についても軽く説明しましょう。日々の業務に忙しく会計知識のない素人の個人事業主でも、簡単にできるとされてきたのが白色申告です。

白色申告は青色申告承認申請書のような書類の届出は必要ありません、

なのでもし青色申告承認申請書を届出なかった場合は、自動でその年は白色申告になります。

白色申告では、青色申告特別控除は受けられませんが、所得控除や課税控除は受けられますので、完全に優遇がないわけではありません。

数年前までは、複式簿記が必要となる青色申告は、フリーランスにとってとても高い壁でした。簿記を覚えるには時間も必要になりますし、簿記の作業自体も複雑で時間がかかります。

仕事に追われるフリーランスは、青色申告の方がメリットが多いにもかかわらず、ついつい楽な白色申告を選択する人が多かったです。どうしても青色申告をしたい人は、税理士や簿記ができる人に外注していました。

しかし会計ソフトの発展のおかげで、今は会計知識がない人でも自分で会計ができるようになりました。近年では、フリーランスでも青色申告が当たり前となっています。これらは、会計ソフトの飛躍的な向上のおかげ。

また、

・会計ソフトが進化したこと

・平成26年から白色申告にも帳簿への記帳が義務付けられたこと

により、「経理が楽」という白色申告の最大のメリットが、昔ほど感じられなくなってきてしまいました。

フリーランスには青色申告が絶対おすすめです。今は簡単に青色申告のやり方をネットで調べられる時代ですので、ぜひチャレンジしてみてください。

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