初心者でもわかる!控除についてまとめました

控除について。フリーランスの経理・確定申告。
目次

控除とは

耳慣れない言葉なので構えてしまうかもしれませんが、「控除」って国民にとってはとてもありがたいシステムです。仕組みさえわかれば何も難しいことはないので、ぜひ利用してくださいね。

 

控除とは、所得額から引かれる「一定の金額」のことを指します。ものすごく雑に言うと、税金を安くしてくれる国のシステムです。

納税者は一人一人生活様式が違っていて、子供がたくさんいる人もいれば、いない人もいます。配偶者がいる人、いない人、いたけど亡くなってしまった人もいます。そうした個人の事情を配慮して、なるべく公平な課税にするよう、国が定めたのが「控除」というシステムです。

例えば有名なのが「扶養控除」。子供や配偶者といった扶養する家族がいると「扶養控除」の対象となり、税金が安くなります。

控除とは

「控除」の内容は、国で決められています。例えば

・誰でも対象となる「基礎控除
・年間で医療費を10万円以上使うと対象になる「医療費控除
・住宅をローンで購入した人のための「住宅ローン控除
・生命保険に入っている人のための「生命保険料控除

と、案外身近なものが控除の対象になっているのがわかりますか。

確定申告の際にうっかり控除の申告を無視すると、税金を多く払うことになって損をしてしまいます。せっかく国が定めているのですから、これらの控除をもらすことなく使って、正しい節税をしましょうね。

 

控除と納税額の関係 

毎年お国に納めなければいけない「所得税」。自分の利益が出た分だけ、儲かれば儲かった分だけ、税金を国に納めなければいけません。まずはこの所得税の金額がどのように計算されているかを、みてみましょう。

毎年の所得税額はあなたの収入によって決まるわけですが、収入の合計値全てに税金がかかるわけではありません。

収入額から、「経費」(仕入れ値など事業にかかった支出)や先ほど説明した「控除」を引いた金額に対して税金がかかってきます。

所得税の計算は以下のように算出されます。

年間の売上総額から経費を引いたものを「所得額」といいます。経費は、商品の仕入れ値や仕事に使った公共費・通信費の実費のことです。なので、所得額は純粋にあなたの利益にあたります。

この所得額からさらに所得控除と呼ばれる控除を差し引きすることで、出てきたものが「課税所得額」といい、言葉通りこの金額に税金がかかってきます。

また、この課税所得額からさらに差し引きできるのが、「税額控除」と呼ばれる控除です。住宅ローン控除や災害減免額(災害時に特別使えるもの)がこれにあたります。

このように、利益額から控除の金額をどんどん引いていくことで、あなたの所得税はどんどん下がっていきます。さらに、合わせて住民税も減っていきます。

控除は国が決めたシステムですので、フルに使って節税しましょう。

 

控除の種類は3種類「所得控除」と「税額控除」と「青色申告特別控除」

控除には大きく分けて「所得控除」と「税額控除」、それから「青色申告特別控除」があります。

「所得控除」は所得額に対して引かれる額であるのに対し、「税額控除」は最終的に算出された所得税そのものから差し引くことができます。なので、「税額控除」の方が節税効果は高いです。その分控除として使える種類は少ないですが。

所得控除と税額控除の違い

また、確定申告の際に「青色申告」で申告すると、「青色申告特別控除」が適用されます。これは節税メリットの高い美味しい控除なので、フリーランスは絶対使う様にしましょう。

控除の全てをはっきり理解していなくても確定申告はできます。こういう控除があるということだけ理解していればOKですよ!

 

共働きの場合の控除の申告方法に注意しよう

控除は、「同一生計」(生活費を同じ財布から出しているという認識でOK)での単位で考えます。

例えば、医療費の年間金額が10万円を超えると、医療費控除として申請できます。これは、申請者本人だけでなく、家族全員分の医療費の合計額を控除の対象にできます。

ただし、家族全員に対する控除は、共働き夫婦の場合だと、夫・妻のどちらか一方が申請することになります。

 

ひとつ頭に入れておいて欲しいのが、所得控除の種類によっては、税金の還付額(納めすぎた税金が返還されること)が変わってきます。なので夫婦の年収差がある場合は、どちらが申請した方がよりお得かということを考えておきましょう。

基本的な考え方としては

収入の多い方に集中して、申告させるのが一般的です。

収入が多い方が申告することで還付額が多くなるからです。

 

また、

イデコ (iDeco)やふるさと納税の控除は、契約者本人しか申告できない

ということも覚えておいてくださいね。

我が家の場合、サラリーマンの夫は、会社に「控除証明書」を提出するだけで会社が手続きをしてくれます。証明書はだいたい10月くらいに自宅に郵送されてきますので、年末調整の12月までに会社に提出して、おしまい。

一方、フリーランスである妻の私は、自分で確定申告の際に控除を申告する必要があります。

なお、「医療費控除」に関しては、会社員の場合でも年末調整だけではできず、別途の確定申告が必要になります。節税のチャンスを見逃さず、医療費が家族で10万円を超えた場合は、必ず申告するようにしましょう。

以下は一例ですが、共働き(会社員×フリーランス)の控除の申告についてです。夫婦の収入や働き方によってどちらがどの控除を申告するか変わってくると思うので、参考程度にしてくださいね。

共働きの控除の例

扶養の範囲で働きたい場合、控除額に注意しよう

フリーランスの妻側が扶養の範囲内で働きたいとしましょう。

「税法上の扶養」に当てはまるには、年間の所得合計額が48万円以下でなくてはいけません。

フリーランス妻の場合、年間所得の合計額は以下のような式になります。

年間所得額 = 全体の売上 ー 経費 ー 青色申告特別控除額

税法上の扶養の範囲の計算例

フリーランス妻A子さんは年間収入は200万ありますが、経費と控除を差し引きすると、所得額は125万円になります。よって、「配偶者特別控除」の扶養に入ることができます。

なお、上記の計算は「税法上の扶養」の話です。

配偶者の扶養はもう一つあって、健康保険・年金に関する「社会保険上の扶養」に関しては、また上限が違ってきますので、気をつけてください。

 

控除証明書とは?確定申告に際に必要なもの

フリーランスの場合、控除を適用するには、控除にあたる費用を払ったことを証明する控除証明書を手に入れて、確定申告の時にその控除証明書を一緒に提出することが義務付けられています。

例えば、生命保険の控除証明書であれば、契約している生命保険会社から送られてきます。

ものにもよりますが、だいたい10月頃に自宅に郵送で届く場合がほとんどです。

最近はオンライン化で電子型の控除証明書になってきていますね。

控除証明書は基本的には勝手に送られてきますが、もし来ない場合は問い合わせてみましょう。

なお、医療費控除の場合は、年間の医療費にかかった領収書(レシートOK)を必ず取っておくようにしましょう。家族の合計金額10万円以上で、医療費控除の対象になります。

 

確定申告に必要な主な控除の証明書一覧

・保険料控除証明書(生命保険、地震保険など)
生命保険や地震保険に入っている場合の支払証明書

・住宅借入金等特別控除証明書
住宅ローンを契約している場合の支払証明書

・社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
年金を払っている場合の支払証明書

・医療費控除のための医療費の領収書10万円以上分
1月1日〜12月31日までの家族全員の医療費が10万円以上かかっている場合、その領収書

・小規模企業共済掛金払込証明書
 小規模企業共済やiDeCoに加入している場合の支払証明書

・寄付金受領証明書
ふるさと納税などの支払証明書

まとめ

控除とは。確定申告の際に節税できる、非常に有効な国が定めたシステムのこと。
控除を上手に使って、無駄のない納税者になりましょう!

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