模写ばかりやってオリジナルデザインは上手くなるの?オリジナルに繋がる理由をWebデザイナーが解説

【悩み・相談】

模写を毎日やってるんですが、正直これで本当にオリジナルのデザインが作れるようになるのか不安です。

写してるだけで力がついてる感じがしなくて…オリジナルを作ろうとしても全然良い案が浮かびませんし。

続けていていいのかどうか、悩んでいます。

模写を毎日できるのって、すごい真面目な方なんだなって思います。それができない人もいるので…。

誰しもが思うことだし、オリジナルで手が止まるのも初心者あるあるです。

私自身も、最初はオリジナルが全く作れず、ひたすらバナー模写をしていました。

それから20年が経ち、だからこそ絶対に言えるのは、

模写は、オリジナルデザインへの確実なルートです。

目次

模写でオリジナルデザインは作れるようになる?結論

模写を続けると、確実にデザインのレベルは向上するし、オリジナルデザインを作れるようにもなります。

ただし「正しい模写」をしていれば、という条件付きではありますが。

そもそも、模写から始めてオリジナルへ進むのはデザインだけの話ではありません。

絵画、料理、音楽、武道。どんな分野でも、最初は必ず「真似る」ことから始まりますよね。

ピカソも、葛飾北斎も、若い頃は徹底的に模写をしていた。歴史が証明していることです。

ここでは、

・模写がオリジナルに繋がる理由

・模写を続けると起こる変化

・正しい模写のやり方

・オリジナルへの移行ステップ

をまとめました。

私のデザイナーの経験を元に、解説していきますね。

正しい模写をしないと上達しない

ただ模写するだけでは上達しない

模写をやれば必ず上達するか、というと正直そうではありません。

何も考えずに「写す作業」を繰り返しても、手を動かした達成感はあっても、デザイン力としては定着しにくい。

そしてそのうちみんな飽きてやらなくなってしまう。。

模写が上達に繋がるかどうかは、「どんな意識でやるか」で決まります。

上達する模写と、しない模写の違い

上達する模写:「なぜこのレイアウトなのか」「なぜこの色なのか」を考えながら再現する

上達しない模写:形を似せることだけを目標に、ただ写す

この差が積み重なると3ヶ月後に大きな差になります。

模写で大切なのは、作業ではなく観察です。

模写を続けると起こる変化

では、模写を続けるうちにどんなふうに変化が起きてくるか。

私の例ではありますが、実際に具体的に書いてみますね。

フェーズ1:何も浮かばない

オリジナルを作ろうとしても、頭が真っ白。何から手をつければいいかすらわからない。

「デザインって何?」という状態です。

模写を始めたばかりの人のほぼ全員がここからスタートします。

フェーズ2:朧げにイメージが浮かぶ

「こんな雰囲気にしたい」という感覚は出てきます。でもまだ靄がかかっていて、具体的な形にならない。

「なんとなくこうしたい」はあるけど、ぼんやりとしていて再現ができない。

フェーズ3:構図とカラーに輪郭が出てくる

レイアウトの方向性や、使いたい色のイメージがはっきりしてきます。

実際に手も動くようになります。

でもまだどこか初心者っぽさが残る。「作れるけど垢抜けない」という感覚です。

フェーズ4:プロっぽさがわかってくる

フォント選びや配色センスが身についてきます。

「このフォントは安っぽく見える」「この余白が足りない」という判断が自然にできるようになる。

また、作りたいイメージが脳内にしっかりと浮かんでくるようになります。

一皮剥けた感じがして、プロっぽいかっちりとしたデザインができるようになってくる。

フェーズ5:自然とデザインが浮かんでくる

クライアントから依頼を聞いた瞬間、頭の中に「こういう方向性かな」とイメージが浮かぶようになります。

配色だったり、メインビジュアルの雰囲気だったり。

もちろんその通りに仕上がるわけではなく、全く別のものに着地することも多いのですが、でも「最初の共通解」が自然と出てくるようになります。

なんとなくでも成長のイメージがつきましたか?

模写がオリジナルに繋がる理由

引き出しが増え、それを実際に作れる力もつくから

模写を続けることで「デザインの引き出し」が増えていきます。

デザインは純粋なアートとは少し違い、一から作るのではなく、たくさんの引き出しから要望に最適なものを選んで、構築する作業に近い。

なので引き出しの多さはとっても大事です。

また、これは単なる知識ではなく、「自分の手で作れる引き出し」になります。

本やSNSで拾っただけ・見ただけの知識と、実際に手を動かして作った知識は全然違う。

模写によって、「知っている」が「作れる」に変わります。この差がオリジナル制作のときに大きく出ます。

たとえ模写でも、実際にきれいな作品が作れたら嬉しいですよね。デザインさえ学べば自分にも作れるという感覚は、すごく自信につながります。

数をこなすごとにデザインパターンが染み付くから

10枚、20枚と積み重ねるうちに、気づかないうちにデザインのパターンが体に染み付いてきます。

「このジャンルのデザインはこういう構成が多い」「この色の組み合わせはこういうときに使う」という感覚が、意識しなくても出てくるようになる。

これがいわゆる「センス」の正体です。センスは才能ではなく、積み上げた経験から生まれます。

プロの作品を模写していくと、意外と同じパターンで作っていることが多い、という気づきがあります

デザインを「読む目」が鍛えられるから

模写を重ねると、街で見かける広告やWebサイトを見たときに「このデザインはこういう意図で作られている」と読めるようになってきます。

デザインを見るだけでなく、分析できるようになる。

この「読む目」こそが、オリジナルデザインを作るときの最大の武器になります。

模写しても上達しない人の特徴

模写の枚数が少なすぎる

模写しているのに上達しない初心者は、週に数枚しかやっていないというケースが多いです。

もちろん継続は大事ですが、あまりにも少なすぎる。

当たり前の話ですが、デザインは手を動かした分だけ上達します。

できれば毎日1枚からはじめて、どうしてもできない日はしょうがないとして、間隔を空けずにやるのがおすすめです。

同じようなデザインばかりやっている

最初はシンプルなデザインから始めるのは正解です。変に難易度を上げる必要はない。

でもずっとそれだと、どこかで伸び悩みます。

たまに模写頑張っています!と持ってきてくれるのが、いつも超シンプルな構成のもの…。手を抜いていないかと、正直感じることもあります。

ある程度慣れてきたら、「どうやってこんなデザインになっているんだろう」と興味が湧くのにも挑戦してみましょう。

もしかしたら再現できないかもしれないけど、解読できないくらいのデザインに向き合うことで、一気に視野が広がります。

素材選びに時間をかけすぎている

「同じ写真を探さなきゃ」「同じフォントを見つけなきゃ」と素材探しに30分以上かけている人がいます。

その時間はもったいないので、似たもので全然OKです。

ただし素材を選ぶ行為自体にもデザインセンスは鍛えられるので、まったく考えなくていいわけでもない。

似たようなものを選んでいるつもりがなぜかダサくなる、というのはよくあることです。これがプロとの差なんですよね。

でも大丈夫です、「似たものを素早く選ぶ」を繰り返していくうちに、目も肥えてきます。

見て満足する

見た瞬間は「素敵なデザインだから模写しよう」となるけど、途中でめんどくさがって手を動かすのをやめてしまう人がいます。

ちゃんと目で見たし、ストックもしたから、引き出しは増えたはず。と勘違いしてしまうタイプ。

ストックだけしても引き出しは増えません。初心者ほど、頑張って手を動かして頭を使いましょう。

模写をするときの注意点

写真・フォントは完璧に合わせなくていい

写真は似たようなトーンのものでOK。フォントも雰囲気が近ければOK。

最近はAIで画像生成するのもいい手で、プロンプトの練習にもなって一石二鳥です。

大切なのはレイアウトや色のバランスを学ぶことで、素材の完全一致ではありません。

いいデザインは必ずメモしてストックする

模写をしていて「このデザイン好きだな」「この配色は使えそう」と感じたものは、必ずメモしストックしておきましょう。

自分で模写した作品も捨てずに残しておくことをおすすめします。

後から見返すと自分の成長が確認できますし、オリジナル制作のときの宝箱のような存在になります。

完璧再現より枚数。やる気がない日こそ模写

1枚に2〜3時間かけるより、30〜60分で1枚仕上げる方が断然上達が早い時期があります。

まずは完成度より枚数を優先しましょう。ある程度こなれてきたら細部にこだわろう。

また、「今日はやる気がないな」という日こそ、模写は最適です。

オリジナルを作るには発想力やエネルギーが必要ですが、模写なら目の前のものを再現するだけでいい。

ハードルを下げて1枚だけでも手を動かしましょう。

模写したら「自分ならどう変えるか」を考える

模写が終わったら、「自分ならどう変えるか」を考える習慣をつけましょう。

色を変えたら?フォントを変えたら?レイアウトを逆にしたら?

その思考が、模写とオリジナルの橋渡しになります。

オリジナルに繋がる正しい模写のやり方

練習素材はバナー広告が最強

「何を模写すればいいかわからない」という人に、特におすすめしたいのがバナー広告です。

バナーは、あの小さなサイズの中に、Webデザインの基礎がすべて詰まっているからです。

レイアウト
限られたスペースにどう情報を配置するか

文字組み
読みやすいフォント・サイズ・行間の選び方

色のバランス
背景・テキスト・アクセントカラーの関係

優先順位(情報設計)
何を一番目立たせるか

視線誘導
見る人の目をどこへ誘導するか

商品訴求
どうすれば「クリックしたい」と思わせられるか

しかもバナーは小さいので、1枚30〜60分で完成します。

忙しい人でも継続しやすいのが最大のメリットです。

同カテゴリ集中練習法

さらにおすすめしたいのが「同じカテゴリのものを集中的にやる」やり方です。

学習塾のバナーを10〜15枚、夏のバーゲンセールのバナーを10〜15枚、というように、他のジャンルに浮気をしない。

バラバラにやるよりも、同じジャンルに集中することで、そのデザインのセオリーみたいなものが見えてきます。

学習塾なら「信頼感・安心感・実績訴求・若々しさ」が共通軸、バーゲンなら「緊急性・お得感・視認性・トレンド感」が軸にあります。

例えば学習塾のバナーであれば大抵は青系が多いのですが、グリーンを使ったり、モノトーンだったり、差し色のピンクでインパクトを出していたり、いろいろな演出方法があります。

その引き出しの多さを感じて模写することで、自分の表現の幅も広がっていきます。

ただし同じカテゴリだけに偏りすぎると「そのジャンル専用の目」になるリスクがあります。

なので、おすすめは

  1. STEP1:1カテゴリを15〜20枚集中してそのジャンルの文法を体に入れる
  2. STEP2:別カテゴリを15〜20枚やって違いと共通点に気づく
  3. STEP3:また別カテゴリへ。引き出しが掛け算で増えていく

この順番で進むと、最終的にどんなジャンルでも作れる応用力が育ちます。

気づきメモを書く

模写が終わったら、一言だけメモを書きましょう。(時間かけすぎてもダメ)

デザインの言語化はとても大事です。特に、これからのAI時代、プロンプトでAIと付き合うのに言語化は避けられません。

このメモが積み重なると、自分だけのデザイン理論が育っていきます。

模写は何枚やればいい?30枚・100枚の目安

実際、何枚くらい模写すればいいんだという話ですよね

30枚でデザインを「読む目」が生まれる

模写を始めてすぐは、正直なかなか変化を感じにくいです。

まず10枚目くらいで、やっとツールの使い方にはなれるのではないでしょうか。

でも30枚前後を超えたあたりから、「なんかデザインが読めるようになってきた」という感覚が生まれてきます。

他のデザインを見て、「これ似たようなのを見たことある」という気づきが増えてきます。

100枚でオリジナルへの自信になる

100枚を超えると、引き出しの量が自信に変わります。

「自分にはデザインのパターンがある」という感覚、「これくらいなら作れる」という確信が生まれてくる。

この自信こそが、オリジナルデザインへの最大の武器です。

まず30枚、そして100枚。その積み重ねが、3ヶ月、半年と続けていくと、確かな実力になりますよ。

まずは100枚!1日2枚なら、2ヶ月で終わる!


模写からオリジナルへの移行ステップ

模写とオリジナルを繰り返すリズムを作る

模写だけをずっと続けていると、どこかでインプット過多になります。

まず10枚模写したら、1枚オリジナルを作ってみましょう。

完成度はまったく気にしなくていいです。「こっちのレイアウトを借りて」「あっちの配色を使って」というように、模写で吸収したパーツをつぎはぎしても構いません。

そのつぎはぎが、オリジナルデザインの第一歩です。

「なんかイマイチだな」と感じたら、また模写に戻る。このサイクルを繰り返すことで、インプットとアウトプットのバランスが自然と整ってきます。

STEP1:お題を探す

バナーでもサイトでもいいので、模写するお題を探します。最近であれば、ChatGPTにでも、「バナー作成の練習用のお題を作って」と言ったら、ターゲットやサイズを全指定でお題を作ってくれます。

もしそこでデザイン案が浮かばなかったら、どんなイメージがいいか、AIと相談しながら作ってもいいですよ。

STEP2:構成だけ真似て素材は自分で用意する

気に入ったデザインのレイアウト・構成だけを参考にして、テキストも写真もカラーも、自分で用意する練習です。

構成という骨格を借りながら、中身は完全にオリジナルにします。

STEP3:ゼロから作ってみる

模写を積んできた人には、すでに大量の引き出しがあります。ストックしてきた模写を眺めながら、その引き出しを組み合わせて、ゼロから作ってみましょう。

よくある質問(FAQ)

何枚やればオリジナルが作れる?

個人によりますが、まずは30枚模写したら自分の中に型ができてくると思います。そこから最低100枚は頑張って欲しい。

模写はずっと続けるべき?

仕事が忙しくなるとなかなか模写の時間は取れなくなりますが、私は今でもやっています。

単純に手を動かすのが好きなのと、苦手なジャンルのデザインをインプットできると、達成感を感じられます。

模写とオリジナル、並行してやっていい?

もちろんです。むしろ繰り返し両方やる方が、オリジナルを作る力の上達が早いです!

バナー以外でおすすめの練習素材は?

慣れてきたらWebサイト・LP・チラシ・UIデザイン(アプリデザイン)など、自分の目指したい方向へシフトしてきましょう。

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