前回の記事です。
CMSは、HTML知識がなくてもWebサイトを更新できる、とっても便利なシステムであることはわかっていただけたでしょうか?
CMS納品までの流れのイメージをもう一度見てみましょう。
オリジナルのHTMLにCMS製品を組み込むことで、サイトをCMS化することができます。
今や世界中のWebサイトのほとんどはCMSで作られています。Web制作を続けていくと、いろいろなCMSに触る機会もあることでしょう。
この記事では、有名どころのCMSを制作者目線で紹介しますので、とりあえず頭の片隅にでも覚えてもらえれば、後々きっと役に立つはずです。
※紹介しているCMSは、フリーランスの私がよく使うCMSです。大規模な開発となると、また別のCMSがよく使われているかと思います。
※CMSには、クラウド型、インストール型、オープンソース型という種類があります。この詳しい説明については、こちらの「CMSのオープンソース型とクラウド型の違いを知ろう」記事を読んでみてください
オープンソース型CMSとは
プログラムのソースコードが、世界中にオープンになっていることを「オープンソース」といいます。
オープンソースのため、カスタマイズがしやすく、オープンソース型CMSをベースに自社サイトを構築するのが主流です。
世界シェアNo.1 「WordPress(ワードプレス)」
WordPressは世界で一番有名なCMSです。
日本での利用率も、2位とは30倍近い差をつけてぶっちぎりのシェア1位です。
WordPressは本来はブログシステムで、アメブロとかはてなブログとかnoteと一緒で、日記(ブログ)を更新するのに向いているCMSです。
企業サイトを作るためのCMSではないんですね。
しかし実際は多くの企業が、WordPressを使って自社サイトを作っています。
世界の企業から日本のブロガーまで、世界各国で幅広く愛されている、それがWordPressです。
Web制作者になるなら、絶対に抑えておかなきゃだめなCMSだよ
WordPressのメリット
WordPressは無料。そして、オープンソースなため、誰でも自由に開発できるという大きな特徴を持っています。
例えばこんな機能が欲しいなと思っても自分では作れない。でも世界のどこかにいる誰かが、あなたの欲しい機能を作ってくれるかもしれない。そしてその作った機能は、プラグインという拡張機能として、世界中にばら撒かれます。こうして、多くのユーザーに愛されて広まってきたのがWordPressです。
それなりの規模のサイトを開発しようとしますと、クライアントの要望がいろいろと大きくなります。しかしWordPressはいかようにでも拡張しやすいので、オリジナル開発と相性がいいです。
また先ほど書いた世界の誰かが作ったプラグインを使えば、自由にカスタマイズすることができます。
例えば、ログイン機能・メールフォーム機能・ショッピングカート・サイト高速化・他言語翻訳等、これらの機能を、素人でもボタンひとつで自分のWebサイトに入れることができるのです。
プログラム素人でも、強力な機能を搭載したWebサイトを作ることができる!
そして、何度も言いますが、基本は無料です。サーバー代・ドメイン代はかかりますがそれだけ。
世界シェアNo.1で、無料で、たくさんの情報がWeb上に溢れており、機能の拡張プラグインもある。
シェア率一位は納得のCMSです。
手堅い強さ 「Movable Type(ムーバブルタイプ)」
「Movable Type」は、日本ではWordPressと同列に値するくらい有名なCMSです。
今はWordpressやクラウド型のCMSの勢いに負けていますが、昔はまずはMovable Typeを第一候補に上げるほど、制作現場では重宝していたCMSでした。
Movable Typeは商用利用ではライセンス料がかかりますので、無料のWordPressと比べると導入コストがかかります。そのため、中小企業で使われるケースは少ないのも普及しない理由のひとつかと思います。
Movable Typeのメリット
CMSとしての良さとしては、閲覧ユーザーにとって負荷が少ないというメリットがあります。簡単にいうと、ページの読み込みが早くてストレスがないということです。
また、有料な分、メーカーの保証と手厚いサポートがあります。これらは無料のWordPressにはありません。セキュリティに関しても、開発元の会社がしっかりとサポートしてくれる安心感があります。
逆にいうと、WordPressは無料な分、セキュリティの心配や何かあった時の補償や責任があいまいな点がデメリットとも言えますね。
MTはサポートが日本企業ということから信頼性もありますね。
ECサイト専用CMSの雄 「EC-CUBE(イーシーキューブ)」
EC-CUBEは、ECサイトに特化したCMSです。基本は無料ですが、有償ライセンスもあります。
ECサイトに特化したCMSですので、ショッピングカートや商品検索、顧客管理、注文管理、クレジットカード適用等ショッピングサイトに関する機能は全て装備しています。これが無料で手に入るのはすごい。
EC-CUBEもオープンソースのため、さまざまなプラグインが開発されています。また大規模なECサイトの元となるECシステムとして使われることも多いです。
日本産のCMSでもありますので、オリジナルで本格的なオンラインショップを作りたいとなった場合に一番に候補に上がるCMSですね。
EC-CUBEレベルのオープンソースのEC型CMSはないかも
より直感的な編集を実現した concrete5(コンクリート5)
concrete5は、ドラッグ&ドロップでコンテンツ編集ができる、直感的な操作が印象的なCMSです。
例えるならば、開いた雑誌のイラストや記事を自由にレイアウト配置したり、文字を編集できたりするイメージです。初めてCMSを夢見た時のような、IT素人でも見たままの画面でいじることができれば最高だよなというイメージをできる限り再現しています。
下層ページの管理やブロックのコピペも簡単で、コンテンツ管理の骨組みの完成度の高さを感じます。
こちらも、オープンソースなので、導入費用は無料!
シェア率が低いためか、あまり見かけないのが残念。
クラウド型CMSとは
クラウド型CMSとは、その名の通りシステムがクラウド上にあるCMSサービスです。
開発側がサーバーを用意する必要がなく手軽にサイトの構築できるのがメリットです。また、自社でサーバーを管理する必要がなくなるので、セキュリティの心配も少なくなります。
その分開発の自由度は少なくなります。
Wix(ウィックス)
Wixは、比較的新しく登場したクラウド型のCMSです。より初心者向け・素人向けに作られたCMSです。
Wixは基本的にデザインが各種テンプレートの中から選びます。
ボタンの配置等も全て直感的に画面上で行います。個人事業主や個人でサイトを立ち上げたい方にぴったりなサービスです。似たCMSにJimboがあります。
BASE(ベイス)
BASEは、突如現れたECサイトが運用できるのにコストが0円という破格のCMSサービスです。
諸費費用と月額費用が基本無料で、諸費用をかけずに手軽にネットショップを始めたい人にぴったり。
豊富なテンプレートからデザインを選ぶことができます。
EC-CUBEが大企業向け&拡張性が高いのに反して、BASEは個人でも手軽に始めることができるのが最大の売りです。
CMも印象的!
日本のコーポレートサイトの構築に最適な Share With(シェアウィズ)
無料のクラウド型CMSと対をなすのが、有料のクラウド型。サービスや機能が充実していますが、その代わり費用は高めです。
Share Withはコーポレートサイト制作に特化したクラウド型のCMSで、日本の上場企業をターゲットとしたCMSです。強固なインフラとセキュリティ、組織的な管理を実現し、IR情報の管理も。
デザインも機能もオリジナルで作り込みが可能。マニュアルレスを目指した管理画面もわかりやすく、ITリテラシーの低い非IT会社の日本人でも更新が可能です。
サーバー・セキュリティの管理も一括して費用に含まれているのが、クラウド型の良いところですね。
日本の上場企業に特化した作りが特徴的
RCMS(アールシーエムエス)
RCMSもデザインや機能は全てオリジナルが可能。そして高機能。
Share Withに比べると管理画面はいかにも昔のCMSという感じで、ちょっと使いづらいかも。
CMSを手に入れるには
CMSの導入方法については別の記事にまとめてあります。
まとめ
世界各国には1000近いCMSがあると言われています。それぞれのCMSの大きな違いは、オープンソース型かクラウド型かといった違いもあるのですが、製作者にとって一番大きな違いはプログラム言語の違いです。
CMSによって使う言語、フレームワークは違います。例えばWordPressはPHPというプログラミング言語を使っています。
私はプログラムは不得手なくせに、この15年間でいろいろなCMSを触る機会をいただきました。もう忘れてしまったのも少なくないのですが、言語こそ違えど、テンプレートの構築やタグでの呼び出し等、基本的な部分は変わらないなという印象です。
なのでWordPress以外も、ぜひいろいろなCMSを触ってみて欲しいです。一期一会でもいいので、その場限りでもいいので、いろいろやってみるのが経験につながります。
今回挙げたのだけでも
WordPressやeccube、shopfiy、BASE、wix、これらのCMSは全て無料で試すことができますので、ぜひ触れてみてください。
特に、shopfiy、BASE、wixはブラウザ上で初期登録するだけですぐに使えます。
WordPressを使いたいなら、レンタルサーバーを契約すればセットでついてきますよ。