副業Webデザイナーの稼げない現実と確実に稼ぐ方法を現役フリーランスが解説

副業Webデザイナーの現実。稼げない理由

Web制作会社でデザイン・ディレクションを勤めてきたアラフォーデザイナーのフクです。現在はフリーランス10年超えになります

目次

副業Webデザイナーの現実

この記事では「Webデザインを副業にしたのに全然稼げない」という声をもとに、どうして稼げないのかのかを分析し、17年間続けてきているWebデザイナー&フリーランス目線で、「じゃあどうやったら稼げるの?」という質問に答えたいと思います。

働き方改革の提言で、副業禁止の規則が改定され、副業で収入を増やそうという人が増えてきました。また、コロナ禍を経て在宅ワークの人気もますます高まっています。

Webデザインの副業をゴールとするデザイン専門スクールもここ数年で爆増し、副業として「Webデザイン」を選択しようと思う人も増えました。

しかし、一方でWebデザイナーは初期投資がある程度必要な職種でもあります。パソコンやデザインソフトを購入しなければいけないため、始めるにあたって安くない費用がかかります。

そうして準備をした上で副業をはじめても、なかなか受注に結びつかず、結果として挫折してしまう人が多いです。

はっきり言って、Webデザイナーを副業でやろうとすると、コスパは悪いです。

本業で目指した方が、まだコスパも満足感もあると思います。

「Webデザイナーはオワコン」

「Webデザイナーは飽和状態だから今から目指しても無理」

「副業でWebデザイナーは現実的に稼げない」

ネットでこのような意見をよく目にしますよね。

副業Webデザイナーの現実として

  • いきなり副業を始めてすぐに収入を得るのは難しい
  • 初心者が勉強もせずに案件を獲得するのは厳しい
  • 初期費用をかけずにWebデザインを副業で始めるのは難しい

というのはあります。

ただし、時間とお金をかけてきちんとスキルをレベルアップしていけば、Webデザインは稼げる分野のひとつです。

けして若くない年ではじめて、収入に結びつけている人がいるのも事実です。

この記事では、私が10年以上フリーランスを続けてきてわかったこと、主に以下の三点についてまとめています。

  • Webデザイナーの副業が稼げないと言われる理由
  • Webデザイナーの副業を成功させるコツ
  • 副業を成功させるためのスキルアップの方法

副業を考えている方の参考になれば幸いです

Webデザイナーの副業が稼げないと言われる現実的な理由

現実問題としてネット上ではよく「Webデザイナーの副業は稼げない」と言われています。その理由をあげてみますね。

Webデザイナーは飽和状態だから?

クラウドソーシングや仕事マッチングサイトを眺めていると、すでにたくさんのWebデザイナーがいますよね。

よく言われるのは、もうWebデザイナーは飽和状態だから、今から参入しようと思っても無駄ということです。

でもこれって本当かな?と思います

私の周りは、仕事をお願いできるWebデザイナーを探している人、デザイナーが見つからなくて困っている人が常にたくさんいるからです。

その人たちはけして高レベルのデザイナーを探しているわけではありません、むしろそこまで腕はなくても単価が低めで安定してデザイン作業を任せられればOKの在宅デザイナーを探しています(出社だと経費がかかるから)

来たるIT社会の進化に備えて、 IT人材2030年には最大で79万人不足すると言われています。

Web制作も同様で、Webデザイナーの需要はまだまだ上がり続けています。

現実の肌感覚で感じることは、絶対数は増えているけど、依頼できるレベルの人が少ないということです。

要はピラミッドの下層だけがものすごーく広くて、中間層が少ないんです。

Webデザイナーは中間層のスキルを持った人が少ない

Webデザイナーというのは特に資格も必要がないので、名乗ってしまえばWebデザイナーなんですよね

しかし、ということはです。スキルさえしっかりと持っているWebデザイナーであれば、まだまだ需要があるわけです。

クラウドソーシングでは、簡単な作業ばかりに人が集まるので飽和状態に見えちゃいますが、実際は全然飽和していません。

スキルが不足しているから?

Webデザイナーになったのに稼げない理由の90%は、単純にまだまだスキル不足だからです。

専門スクールに通っても、副業を開始するのに最低限の基礎レベルまでは身につけさせてくれますが、ぶっちゃけそのレベルでは副業として仕事をとるのは厳しいです。

問題はそこからどう自分のスキルを上げていくか。

せっかく基礎が身についているのだから、あとは勉強を重ねてレベルを上げるだけです。

始めたては誰でもスキルはどんぐりです。そこから努力してスキルアップできる人だけが生き残れます。

じゃあなぜスキルが上がらないかというとですが、そもそもWebデザインってスキルをあげるのも仕事をこなすのも、それなり時間が必要です。しかし、そもそも時間がなくて副業を選んでいるのに、さらに勉強の時間をとるのは大変ですよね。

時間がない→レベルがあがらない→案件が取れない、で結局挫折してしまう人が多いです。

しかしWebデザインというのは、スキルのある人だけが生き残れる世界です。職人や漫画家と一緒です。

そして、スキルは自分の時間を削って学ぶことでしかあがりません。

稼げない理由がスキル不足なら、スキルを上げれば稼げるようになる!ここで頑張った人は必ず稼げるようになりますよ

単価が安すぎるから?

Webデザイナーは単価が安すぎるから。というのもよく理由に挙げられます。

初心者デザイナー向けの案件は確かに単価は激安です。これはどの業界でも最初のうちはそうなので、もう修行だと思うしかないと思います。

それが嫌なら時給制のバイトをやった方がよっぽど実入りがいいですし、コスパもいいです。

しかし、自分のスキル不足を解消しレベル上げをがんばると、受注できる案件の幅が増えてきます。ある一定のラインを超えると、専門性はぐっと高くなりますので、単価はどんどんあがってきます。副業といえどもそれは変わりません。

そもそもWebデザインは副業向きではない

Webデザインという分野は覚えるべき内容も多いし、Webデザイナーになった後も勉強が続きます。

また、デザインというスキル職である以上、常に自分のセンスを磨いていかなくてはいけません。

先ほども書きましたが、Webデザインを仕事としてのレベルにあげるまでは、少なくない時間が必要です。

本業であれば毎日経験を積むうちに自然にスキルアップするかもしれません。しかし、副業だと、本来は一日のうち大半の時間を別のこと(会社や育児など)に使っている人が多いのでなかなかスキルアップの時間が作りにくいと思います。

本来副業といえば本業の合間の空いた時間でできるアルバイトや内職で副収入を得ることですので、副業の方が大変になるものではありません。

そもそもWebデザインというのは、副業に適した職業ではないのです。

それでもWebデザインの副業で稼ぎたいのであれば、まずは自分のプライベート時間を削ってでもスキルアップの時間を作ることが必要です。

ある程度のスキルがつけば、かなり安定した副業になることは保証しますよ。

webデザイナーが稼げない現実と、副業を成功させるコツ。 スキルアップは必須。 レベルアップさせたいスキルを絞って限られた時間で勉強しよう

Webデザイナーの副業で成功するコツ

次に、あくまで月5万〜10万円程の収入の副業で成功するにはどうすればいいか、具体的な内容を考えてみました。

副業であればスキルを絞ること

スクールに通った人はわかると思うのですが、Webデザインというのは、本当にいろいろなことを覚えなければいけません。デザインソフトも何種類もあって、それぞれ使い方が違いますし、作業によって合うソフトが違います。

また、HTML/CSSも覚えなければいけない、JavaScriptを覚えなければいけない、Sassも覚えなければいけない、CMSも覚えたい。

デザインの成果物で言うと、スマホアプリのデザインとWebサイトデザインは違いますし、バナー制作、SNS/ブログのヘッダー制作やサムネイル制作もあります。パンフレットやチラシといったWebじゃない方のデザイン(グラフィックデザイン)に興味がいくかもしれません。

副業レベルの収入を目指すのであれば、これを全部極めてやろうとするのは、時間と労力の無駄

まずは、覚えるスキルと作る成果物を絞るべきです。

企業勤めのWebデザイナーは設計やフレームデザインに携わることが多く、バナー制作や個人レベルのWebサイトといった小さな案件はどんどんフリーランスや副業案件へと降りてきています。

覚えることが多くスキル的にも大変なものに手を出すより、副業向けの小さくスキルアップしやすい案件に絞ってスキルを身につけるといいです。

おすすめなのは、

デザインソフトは、PhotoshopかFigma

成果物は、SNS/広告バナーやヘッダー、Youtube等のサムネイルのデザイン

です。

Webデザイナーの仕事案件はいろいろありますが、初心者でもとりやすく、スキルアップもしやすいのは以下のものです。(単価の幅が広いのですが、スキルアップするにつれて自分の単価もあげていくといいです)

スクロールできます
案件単価概要
バナー制作3,000円〜10,000円広告バナーの制作
SNSヘッダー5,000円〜10,000円ブログやX(Twitter)のオリジナルヘッダー制作
YouTubeサムネイル3,000円〜10,000円YouTubeサムネイル制作

他のスキルは一旦おいておいて、上記のレベルを上げることに集中してみてください。バナー制作はデザインの基礎です。バナーがおしゃれに作れる人は自然にデザインセンスも磨かれていきますので、そのうちWebサイトデザインもできるようになってきます。

バナー制作の案件は腐るほどあります。ネットショップが山のようにありますし、どのサイトも年間を通して多くのバナーを消費しています。バナーは継続案件がとれたら最高です。

1000本ノックの勢いでとにかくバナーデザインのスキルをあげること。

一日5個バナーを作ったら20日で100個です

最初は模写でいいので、模写であれば全てのバナーを模写する勢いでやってみてください。

また、SNSヘッダーやYoutubeのサムネイル案件もおすすめです。これらのデザインはまだ洗練されておらず、ある一定のフォーマットやテクニックをなぞることでクライアントも満足できる成果物になります。始めたての人でも参入しやすいです。

また、デザインソフトは、まずはPhotoshopFigmaに絞ってみてください。

どちらかでまずはデザインの基本をマスターする。デザイン手法さえ覚えたら、あとはツールの使いこなしの問題ですので、そのうち他のソフトも使えるようになります。

特に写真の細かい加工ができるのはPhotoshopだけなので、どれか一つとしたらPhotoshopが最適解です。Photoshopなら、バナー制作はもちろんどのデザイン制作にも幅広く使えます。

次におすすめなのはFigmaです。Figmaは無料なのでデザインソフトにお金をかける必要がありません。

お金をかけたくない人の味方がFigma!

無料と言っても、プロが有料を差し置いて使うくらい優秀なデザインツールなのですごく高性能ですよ。

バナーやサムネイルサイズの画像加工なら、Figmaでも十分なクオリティが出せます。

副業なら、Figmaひとつで十分という声もあります。

人間性を高める

決して高レベルでなくても、ある程度のデザインレベルがあれば、デザイン案件を受注することができます。しかし実際は、クラウドソーシングの安価案件は、同レベルのライバルが多すぎて、受注を逃す機会が多い。

そこから自分が抜け出すには、結局はデザイナーとしてというより人としての人間性です。

結局どんな人に仕事を任せたいかと言うと、「誠実な人」「良い人」に誰でもお願いしたいものなのです。上級スキルがあっても、性格が悪い人には仕事はきません。

仕事が早い人、誠実な人、人当たりの良さ、見当違いの依頼かもしれないけど聞く耳を持つ、急ぎの案件でも期持ちよく受けてくれる、プラスアルファの頼みやすさがある人が、フリーランスでは生き残ります。

個人で仕事をすると、必要以上に「ビジネスだからちゃんとしなきゃ」と考えすぎてしまう人がいますが、初回案件で条件を多くするとうまくいかないことの方が良いです。

失敗をすることがあるかもしれませんが、経験を積んで良客を増やしていけるといいですね。

営業先をネット以外で探す

現実世界でよく周りを見てみてください。クラウドソーシングには山ほどいるWebデザイナーですが、あなたのリアルの友達にデザイナーがいるでしょうか?意外とパソコンすら持っていない人が多かったりしませんか?

Web業界と関係ない世界で働いている人間はごまんといます。そしてそういう人は、ネットにクラウドソーシングといったマッチングサイトがあることすら知りません。

副業を始めるにあたって、リアルな友人の間で仕事がないか、実際に探してみてください。

ただ、リアル友人だと予期せぬトラブルにつながる恐れもあるかもしれませんので、そこだけは注意して。

できれば大きい金額の案件よりかは小規模案件をこまめに引き受けて、実績を多く作りましょう。

スキルアップを継続し続けること

Webデザイナーの副業が稼げない理由のひとつに、経験不足が挙げられます。

Webデザインの分野においては、デザインというのは手を動かさなければ勝手にうまくはなりません。とにかく手を動かしてなんぼ、時間を使ってなんぼです。余っている時間でひたすら経験値を貯めてください。

本を読んだりSNSを眺めたりするだけでうまくなるものではありません。

大切なことはスキルアップの勉強を一日少しでもいいから継続し続けること。特に副業をはじめて数ヶ月、一年は必ず続けてください。

そして、小さい案件でもいいから、とにかく受注すること。失敗しても気持ちを切り替えて、とにかく継続することを心がけましょう。

具体的にWebデザインスキルを高める方法

独学でスキルアップする

基本的に専門スクールはデザインの基礎やクライアントワーク(仕事の流れ)を学ぶことができます。

しかし卒業後のレベルアップは、基本的に独学でやっていくしかありません。

以下が、私のおすすめするWebデザインのスキルをアップする書籍になります。

書籍のデザインを実際に手を動かして模写することで、正確なスキルが身につきますよ。

デザイン力をアップさせるおすすめ書籍

古い本ではあるのですが、デザイン初心者必読の本です。デザインの基礎について丁寧に解説しています。

デザインというのはセンスではなく理論です。特に商業デザインは、ルールに則って作れば、ある程度のレベルのものは作れるように必ずなります。

感覚でデザインするのではなく、きちんと理論に基づいたデザインを心がけるだけで、ぐっとプロの仕上がりに近づきますよ。

  

人気シリーズの最新作。素人っぽいいまいちなデザインを洗練された今風のデザインにするコツをNG例とOK例を比較して学ぶことができます。

最新のあしらいが学べるので、デザインを勉強したての人にぴったりな書籍です。

 

デザイン上達に欠かせない、トレースと模写についてまとめている本です。お値段安め。

本当に本当にデザインをレベルアップするには、模写に限ります。個人が独学でできる範囲の勉強で、模写に勝る技法はないと思います。

模写と言われてもやり方がわからない。自信がないという人にはこちらがおすすめです。

副業なら絶対にマスターしたいバナーデザイン。バナーデザインのコツや、よく使われるテクニックがたくさん詰まっています。これ一冊を繰り返しこなすことで、バナーデザイン制作のスキルは確実にアップします。こういう本って意外と買っても手をつけるかつけないかで違いが出てきます。

 

以下の記事では、デザインソフトの使い方やWebデザインの基礎はもうわかっている人向けに書きました。今風の垢抜けたデザインを作るのに、独学で役立つ本や動画等をまとめていますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

現場で鍛える

もし本業をやっていての副業であれば厳しいかもしれませんが、本業なしの副業であれば、派遣やアルバイトで短期間でもいいので、思い切って外に出て、実際のWebデザインの現場で働いてみることを強くおすすめします。

やはり現場で働くと一気に経験値がたまります。ノウハウもわかりますし、手も早くなります。Web業界のこともいろいろ学ぶこともできます。

在宅を1年するより現場を1ヶ月やった方が、デザインスキルは確実に上がります。

フリーランスデザイナーの仕事内容について

最後に、参考までに、今までに私がやったことのあるWebデザインの仕事をスキル別・難易度別にまとめた記事を紹介したいと思います。副業レベルのものもあれば、チームで制作したものもあります。

こんな記事もあります。ついつい実力以上の案件を受けてしまったら。

まとめ

これからWebデザインを副業にすることは、不可能ではありません。しかし、技術職でライバルが多い以上楽な道ではありません。

本業とは別に副収入として稼ぎたいのであれば、もっと他の割のいい仕事がたくさんあります。

逆に、デザインを楽しめて半分趣味のような形で副業できるのであれば、こんなに楽しい仕事もないと思います。

Webデザインの副業に向いているのは、以下のような人たちですね。

  • どうしてもWebデザインがやりたい気持ちが強い
  • まずは副業から初めてゆくゆくは本業にしたい
  • 元々デザインが趣味だからそれで稼ぐ方法が知りたい
  • 元々デザイナー職でもう本業にはしたくないけど、今のスキルで稼ぎたい

Webデザインは大変だけど、とにかくやりがいのある仕事です!

みなさんがWebデザインで稼げるよう応援しています

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