デザイナーに必須と言われるAdobeソフト。特にAdobeの主要なソフトがすべて含まれているセットプラン(旧コンプリートプラン)は、プロデザイナーならほとんどの人が契約しています。
でも
「本当にAdobe CCのコンプリートプランって必要なの?」
と悩んでいる方も多いと思います。だって高いですもんね。
実際、どんな使い方をするかによって、その人にとって適切なプランは変わってきます。
特に、2025年の今は、AI機能の登場によって、価格だけではなく選び方の基準そのものが変わってきました。

「AIをどれだけ利用するか」が重要な判断ポイントになっています


この記事では、初心者の方向けに、Adobeプランの違いと料金から見る、おすすめプランを紹介します。



プラン選びの参考になれば幸いです。
この記事では詳しく触れていませんが、動画編集でAIを利用したい方は、特別なプレミアム生成AIクレジットが必要になります。これはStandardプランや単体プランにはついていませんので、動画編集を考えている方は「Creative Cloud Proプラン」をおすすめします。
この記事を書いた人


- Web業界歴20年
- 会社員デザイナー →フリーランスへ
- 一児の母・在宅ワーカー
業界の片隅で20年近くやってきました。これからWebデザインを学びたい人のために、独学やスクールの情報をまとめています
AdobeCC全ソフトの解説については、以下の記事を参考にしてください。


判断の基準は生成AIの利用制限にある
AdobeCCプランの比較で、一番の判断ポイントになるのがAI機能(Adobe Firefly)の使い方です。



Fireflyは、Adobeが開発した画像生成AI。Photoshopなど複数のアプリと連携できます
このFireflyは、使用するごとにクレジットを消費します。
そして、プランによってこの生成クレジットの使える回数に毎月制限があります。
【Proプラン】 無制限
【Standardプラン】月25クレジットまで
【単体プラン】 月25クレジットまで
【Firefly単体プラン】 2,000 or 4,000クレジット
※未使用分を翌月に持ち越すことはできません。
Standardと単体プランの「月25クレジット」は厳しい?
画像生成AIは、一度で理想の結果が出ることはほとんどありません。
何度も、繰り返し生成するのが普通です。
はっきり言って、25クレジットではすぐに上限に達してしまいます。
たくさん試せるProプランの「AIの利用が無制限」は大きな強みです。



今は、AIとの連携はデザインの現場になくてはならない存在になってきています
特にPhotoshop やIllustrator と連携すれば、作業スピードが劇的にアップ。
ちょっと便利なんてレベルじゃないです。時短はもちろん、これまで手作業では難しかった表現やアイデア出しにもAIは大活躍です。
そして、これから学び始める人にとっても「何度もAIが使えるかどうか」はとても重要になってきます。
学習段階でも、何度も試せる環境があることでスキルの伸び方が変わります。使える回数が限られていると、学習のスピードそのものに影響してしまいます。
Adobe CC Pro プラン | 生成AIをフル活用!プロ志望なら一択の理由
Adobe Creative Cloud Proプランは、主要アプリ(20種類以上)がすべて使えるうえに、AI生成クレジットが無制限。
本格的にデザインを学びたい人や、プロを目指す人におすすめのプランです。
料金は、以下の通りです。
月々プラン | 14,480円/月 |
年間プラン (月々払い) | 4,539円/月 最初の3ヶ月が50%OFFキャンペーン中 |
年間プラン (一括払い) | 102,960円/年 |



AdobeCC Proの年間プラン月々払いは、今なら最初の3ヶ月は50%OFFで、お得になっています!
最初の3ヶ月50%OFF中とはいえ、Proは毎月10,000円近くかかる一番高いプランです。
しかし、AIが無制限というのはかなり大きなメリットです。
上でも書きましたが、プロの現場では生成AIが当たり前のように使われているので、CCでないと厳しいのが現状です。
Proなら外部AIモデルも使える
生成AIが無制限に使える以外にも、AI機能では、Proプラン限定の良さがあります。
Photoshop の生成AIに、Firefly 以外の外部モデルが追加され、
・OpenAI GPT
・Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)
といった有名で強力な外部の生成AIが連携され、直接選んで使えるようになっています。
Proプランのみの機能で、Standardや単体プランでは従来のFireflyのみ利用可能です。
今はまだベータ版ですが、今後は「AIの回数」だけでなく「AIの性能・種類」でも、CC Proの価値がますます高まりそうです。
Web/モバイルアプリの一部機能にも差がある
Web アプリ・モバイルアプリの機能は、StandardよりProの方が上です。
たとえばAdobe Express などではProの限定機能もあります。
単体プラン | コスパ重視の選択肢
AIをあまり使う予定がなく、とにかく安く始めたい人には単体プランがおすすめです。
とくにWebデザインの勉強に使うツールは、
・Photoshopのみ
・Photoshop +Figma(基本無料)
というケースが多いです。



グラフィックデザイン(印刷物のデザイン)をやるなら、ここにIllustratorが入ってきますね
Photoshopだけ使うなら「フォトプラン」が最安です。
フォトプランとは
PhotoshopとLightroomの2つがセットになったお得なプランです。Photoshop単体プランよりも安い
フォトプランの料金は以下の通り。
月々プラン | 3,960円/月 |
年間プラン (月々払い) | 2,380円/月 |
年間プラン (一括払い) | 28,480円/年 |
月2,000円台から使えるので、初期コストを抑えたい人にぴったりです。
また、Photoshopの他に、Illustratorも学びたいと考えたとしましょう。
その場合の概算は、
フォトプラン: 2,380円/月
Illustrator単体プラン: 3,280円/月
合計:5,660円/月
※契約者の多い、年間プラン(月々払い)で計算
なので、CC Standard の6,480円/月 より、820円も安く抑えられます。



2本くらいまでなら、単体プランを複数契約した方が安くなるケースもあります。単体プランの価格はアプリによって違うので、公式サイトで確認してね
【注意点】月25クレジットではAI機能は「おまけ」のようなもの
単体プランでも月25クレジットの生成AIが使えますが、これは正直すぐ使い切る量です。
単体プラン+Fireflyプランという選択肢
「アプリはいくつもいらないけど、生成AIはたくさん使いたい」
そんな人におすすめなのが、Photoshop のフォトプランに Firefly 単体プランを追加する方法です。
Fireflyの単体プランは、最低2000の生成AIクレジットがついています。
プランは2種類あり、違いはAI機能の利用制限とプレミアム機能の有無です。
Standard | FireflyPro | Firefly|
月々プラン | 1,580円/月 | 3,180円/月 |
年間プラン (月々払い) | 1,380円/月 | 2,780円/月 |
年間プラン (一括払い) | 15,780円/年 | 31,680円/年 |
AIクレジット | 標準生成機能:2,000/月 | 標準生成機能:無制限 プレミアム機能:4,000/月 |
プランの組み合わせ例



FireflyとPhotoshopやIllustratorの組み合わせでシミュレーションしてみましょう
フォトプラン(2,380円)+Firefly Standard(1,380円)
= 3,760円/月
→ AI(標準)は月2000クレジット。Standard(6,480円)より安い。
フォトプラン(2,380円)+Firefly Pro(2,780円)
= 5,160円/月
→ Standard(6,480円)より安く、さらにAIは、標準は無制限+プレミアム4,000クレジット。
フォトプラン(2,380円)+Illustrator単体プラン(3,280円)+Firefly Standard(1,380円)
= 7,040円/月
→ Pro(9,080円)より安く、AIは月2000クレジット。
※年間(月々払い)を適用した場合
プレミアム生成AI機能=動画や音声など高度な処理機能。動画生成をやるのであれば必要ですが、デザイン初心者であれば特に不要です
「アプリは1つか2つだけでいいけど生成AIを多く使いたい」という希望の人には、現実的な選択肢のひとつですね。
CC Standard |複数アプリを使いたいライトユーザー
生成AIは特に使う予定がなく、必要なアプリさえ使えれば十分という人には、CC Standardがおすすめです。
このプランは、従来のコンプリートプラン(現Pro)の廉価版として2025年秋に登場。
これまで複数アプリを使いたい人はコンプリートプラン(現Pro)一択でしたが、Standardができたことでより手頃な価格で利用できるようになりました。
CC Standardの料金は、以下の通り。
月々プラン | 10,280円/月 |
年間プラン (月々払い) | 6,480円/月 |
年間プラン (一括払い) | 72,336円/年 |
Adobe CCなら複数アプリを“シームレス”に連携
セットプランのメリットで特に大きいのが、複数のアプリをシームレスに連携できるという点です。
たとえば、Photoshopで加工した画像を Illustratorに取り込んで仕上げたり、ExpressでSNS用に書き出したりといった流れが、とてもスムーズに行えます。



制作全体のスピードが一気に上がるんです
実際のWebデザイナーのアプリ構成は?
実際の制作現場では、複数のデザインツールを組み合わせることが多いです。
たとえば、
Photoshop + Figma
画像加工とUIデザインを分ける、Webデザインの基本構成。
Adobe CC(Photoshop/Illustrator/Firefly/Adobe Express)+Figma
バナー制作からUI設計までワンストップ対応。制作会社や本格派フリーランスでよくある構成。
Illustrator + Photoshop + Firefly(AI)
紙とWebの両方を扱うデザイナーに多い組み合わせ。
Figmaとは
基本無料で使えるWebデザインツール。
Photoshopで加工した画像をFigmaに配置してレイアウトを組むなど、Adobe製品と並んで制作現場では定番です。



Figmaがどんなソフトか気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。


初心者にとってAdobeCC Proは必要か?(旧コンプリートプラン)
正直なところ、初心者にとって CC Proは、少しオーバースペックかなとも思います。
Webデザインを始めるだけなら、
Photoshop + Figma
で十分スタートできます。
私自身、1年前なら「最初は単体プランでいい」と言っていたと思います。
でも今は、状況が少し変わりました。
AIを使うかどうかが、大きな分かれ道
今は、AIの活用がデザイン現場の当たり前になりつつあります。
画像生成、補完、ラフの作成など、生成AIを無制限に使えるかどうかで、学習スピードや表現の幅に大きな差が出ます。生成AIが無制限に使える環境では、学習中に何度も試せる&AIを使った効率的な作業を覚えることができるので、上達のスピードが格段に上がります。



AIがあるかないかで、学習コストは大きく変わりますね
無料AIとの違いは「安心して使えるかどうか」
クレジットが足りないなら「Adobe以外の他の無料の生成AIを使えば?」と思う人もいるかもしれません。
でも、無料の画像生成AIはライセンスや商用利用の条件が曖昧なケースも多く、仕事で使うにはリスクがあります。
その点、Adobe Firefly は商用利用が明確に許諾されたライセンスのもとで利用できるため、安心して実務に活用できます。



実際、多くの制作会社でもFireflyが採用されています
また、Adobe製品とスムーズに連携できる点は、Fireflyの大きな強みです。
まとめ
以前は、利用したいアプリの数と料金でプランを選ぶのが主流でした。
でも今は、生成AI(Adobe Firefly)をどれだけ使うかが大きな判断ポイントです。
ユーザータイプ | おすすめプラン | 特徴 |
---|---|---|
AIをしっかり活用したい | ・CC Pro ・単体プラン+Firefly Pro | AI無制限+プレミアム機能付 |
単体アプリ+AIを安く使いたい | ・単体プラン+Firefly Standard | コスパ◎ |
AIは少しだけでOK AIは使わない・趣味 | ・CC Standard ・単体プラン | 25クレジット/月 |
アプリは1つ、AIは少しだけでOK | ・単体プラン | 最安 |
最初からProを選ぶ必要は必ずしもありませんが、「AIをどれだけ使いたいか」を軸に考えてみるといいですね。
Aobeソフトの学習方法について。単体プラン、セットプランどの契約でも、Adobe公式の学習教材やプロ講師によるオンライン講座を受講することができます。詳細は以下の記事で。


AdobeCC全アプリと特典の解説については、以下の記事を参考にしてください。


Webデザインにおけるフォトショップの活用方法。こんなことができる!をまとめた記事です。

