40代未経験だけどWebデザイナーになりたい。
コロナ禍を経て在宅ワークが主流となり、40代でもWebデザイナーへの転職を希望する人が増えてきています。
一方で、
「40代で未経験でWebデザイナーになるのは絶対に無理」
「Webデザイナーなんて飽和状態だから40代なんて絶対に無理」
という意見も目にすることもあります。確かに、Web業界では20〜30代の若い人が多く活躍しているのは事実です。
Web業界を知らない未経験の40代にしてみれば、40代でWebデザイナーを目指すのは無謀なのかと不安になるのも無理ありません。
IT/Web業界で20年近く働いている、同じ40代のフリーランスWebデザイナーが質問にお答えしますね。
結論ですが、40代未経験でも、Webデザイナーに転職・就職することはできます。
世界で名を上げるトップクリエイターにはなれないかもしれませんが、Webデザイナーにキャリアチェンジすること自体は十分可能です。
この記事では、以下の内容を現役40代デザイナーがまとめています。
- 40代でWebデザイナーを目指す前に考えること
- 40代Webデザイナーの強みはある
- 40代からWebデザイナーを目指す賢いやり方
40代未経験がWebデザイナーになるには無理と言われる理由
まずは、なぜ40代未経験でWebデザイナーを目指すのは厳しいのか、その理由をあげてみましょう。
- Webデザイナーは覚えることがたくさんある。40代からは無理
- Webデザイナーはハードな仕事。40代には厳しい
- Webデザイナーには若い感性が必要
ざっと見たところ、こんな理由でしょうか。
Webデザイナーは若い方が有利、それは確かにあります。
デザイナーに何より必要とされるのは、【体力と時間とセンス】です。そしてこれは40代未経験のデザイナー志望にとってはどうしても不利な部分です。
だって40代の皆さん、毎日しんどくないですか?
若い頃は毎日仕事して飲みに行って習い事もして、休日は遊びに行ってドラマ見てゲームして寝て、それでもなんだか時間があまっていたのに、40代の今は全く時間がありません。一年の速さが尋常じゃありません。
40代は、仕事、家事、育児、趣味、自分への投資、介護、と日々のやることは盛りだくさんで、とにかく余分な時間がないのです。
それなのに、Webデザイナーには覚えなければいけないスキルがたくさんあります。他の業種より勉強時間は間違いなく多い。一人前になるまでにはある程度の期間が必要です。
また、40代の体力はどうあがいても若い人には勝てません。どんなに体を鍛えて健康的な生活を送っても、徹夜で遊び歩くことや1ヶ月連続休み無しみたいな無茶な働き方は、もうどんなに頑張っても40代にはできません。
Webデザイナーは華やかなイメージとは裏腹に、泥臭い体力勝負のような仕事です。
時間・体力に恵まれている若い人が有利というのは事実です。
また、若い世代のセンスと40代のセンスは、持っているものが全く違います。流行りのデザインは、若い世代の方が習得が早く、センスに溢れたものを作れます。ただしセンスに関しては若いから良いわけではなく、後述しますが、40代のセンスで作るものでもちゃんと需要はあります。
デザイン職は勉強面でも体力面でも想像以上にハードだということを頭にいれておいてください
Webデザイン職には、体力と時間とセンスが必要。これらを40代が未経験から習得するのは、結構大変です。
以上の事実を踏まえて、それでもWebデザイナーになりたい気持ちがあるなら、具体的にどう働くかを考えてみましょう。
40代未経験でもWebデザイナーを諦めたくない人が考えること
どんな働き方をしたいか考える
高みを目指さない。トップクリエイターを目指さない。40代でこれからデザイナーのトップ層を目指すのは、さすがに時間が遅すぎます。
身につけるべきは、レベルの高いデザインセンスより、クライアントの意向通りのデザインを作れるスキル。これはセンスではなく、積み重ねで誰でも取得できるスキルです。
デザインをパターン化させる、自分の引き出しを増やす、流行りのレイアウトや色彩を覚えること。これを地道に積み重ねることで、デザインスキルは上がっていきます。
またこれまでの経験で営業や接客といったコミュニケーションの経験があれば、それも十分な強みになります。デザイナー職というのは、コミュニケーションも大事なスキルのひとつだからです。
転職先は企業のWeb制作部やインハウスデザイナーがおすすめ
Webデザイナーというとデザイン制作会社に入ってWebサイトを作るイメージが強いですが、制作会社はいわばWebデザイナーの精鋭たちが集まるところ。欲しいのは即戦力。しかもいつも忙しいので、40代未経験者を雇ってくれる余裕はありません。
しかし、実際はWebデザイナーという職種には、他にも様々な働き場所、働き方があります。
40代で正社員もしくは正社員でなくてもフルタイムを希望するのであれば、制作会社に入って地肉を削るよりは、企業内のインハウスデザイナーや Web制作担当者としての転職がおすすめです。
例えば自社でWebメディアやネットショップを持っている会社であれば、毎日流動的に広告や画像を作ってくれるデザイナーが必要です。
求人の中には、実務が未経験でも自社のホームページ&SNS広告の作成をしてくれる人材を募集していたりします。
Webデザインスキルを持っている人の具体的な就職先とその仕事内容については、以下の記事に詳しくまとめてありますので、ぜひ読んでみてくださいね。
小さい会社の事務に就職する
40代事務職はかなり狭き門だというのは、就職活動をしたことがある人ならご存知でしょう。
しかし、プラスαでWebスキルを持っているのであれば別です。小さい会社というのは、パソコンを使えない人ばかりなのも珍しくありません。特に地方であればそんな会社はまだまだあります。
Web/ITスキルというのは、この先はかなり重宝されます。
自社サイトの立ち上げを任されるかもしれません。
若い子の方が有利かと思うかもしれませんが、若い子はスマホは得意ですがパソコンの扱いはそうでもありませんし、デザインスキルを持っている子が事務職に応募することもそうそうありません。
副業・派遣・アルバイトで働く
正社員にこだわらないのであれば、こういった働き方もおすすめです。Webデザインは、手にスキルさえあればどうとでも働けるので、副業・派遣といった働き方にとても適しています。
特に、Webデザイナーの派遣・契約社員は募集が多く、給料も高めです。派遣先が大企業であることも珍しくないので、Webスキルがあると非常に有利です。
フリーランスで働く
40代でフリーランスとして独立。40代未経験からの独立は、正直一番厳しい道だと思います。
副業レベルであれば、そこまで難しくはありません。しかし、正社員と同様に稼げるフリーランスを志望するのであれば、本当に大きな努力が必要になってきます。
40代未経験でフリーランスとして成功している人の例ですが、やはり行動力・営業スキルが高い人が多いです。デザインスキルは後からついてくるので、今までの営業スキルやキャリアがものをいう感じになりますね。
特に、40代フリーランス志望であれば、デザインだけでなくマーケティングを勉強するのをお勧めします。デザインスキルが微妙でも、クライアントにWebマーケティングを提案できる人が強いです。
フリーランスとクライアントの関係は、企業の契約以上に信頼関係が大事です。ちょっとデザインが微妙でも、この人にお願いしたいと思わせたら、関係は長く続きます。
フリーランス志望であれば、次に紹介する40代ならではの強みをフルに活かした顧客開拓がおすすめです。
40代ならではの強みはたくさんある
例えば、10代のTikTokの編集案件なんて仕事は40代には絶対に取れません。
でも40代には40代のセンスがあります。40代の消費傾向は、他の世代とは違います。そしてそれを肌感覚で持っているのが、40代のWebデザイナーです。
今マーケティングの世界は、ターゲットの細分化が進んでいます。あえて40代〜50代をターゲット層にしたコンテンツもたくさんあります。そのターゲット層向けにコンテンツを作れるのは、やはり同世代のデザイナーなのです。
40代にはシニア向けの感性がある
40代をディスっているわけではありません…、私も40代なので許してくださいね。
現在の40代は、上の世代の感性を理解できる人が多いです。
バブル全盛期や戦後の時代を経験した世代とデジタル世代の間に位置するのが40代です。
アナログ世代とデジタル世代では価値観が異なりますが、40代はその潤滑油のような存在感があります。
今の50代以降はITについての知識が不足している人がまだまだいます。しかしこの層に向けてのWebサービスは、今後の高齢化社会に向けてどんどん生まれていくと思います。
若者にとってダサいデザインでも、年配の人には魅力的に映ることもよくあります。
アパレルの世界でも、ミセス向けの服と若者向けの服ではデザインが異なりますが、それぞれに需要がありますよね。
40代なら50代以降の人が喜ぶWebデザインが作れると思います。
意外とリアルな世界で営業先がある
これは私が日々感じていることです。仕事以外で出会う同年代、例えばママ友や近所で家族ぐるみで付き合っている人の中には、意外とITにうとい人が多い。パソコンすら持っていない人も割といます。20代からIT業界にいた私にとっては、このことは軽くカルチャーショックでした。
また、夫の職種はIT業界とは真逆の業界で年齢層高めの職場なのですが、ITの浸透率はゼロに近いそうです。
40代以前はITの過渡期世代なので、今の20代30代に比べると、ITスキルを持っている人が相対的に少ないんですよね。
そんな環境でWebデザインのスキルがあると、意外なところから案件の話が舞い込んでくるのです。
みなさん、周りにITに詳しい相談相手がいなくて困っている人が多いのです。
友人間での安請け合いはトラブルの元なので慎重にはすべきですが、ここで言いたいのはそういう話ではありません。
Webデザイナーが飽和状態というのはWeb上だからこそ言えるのであって、リアルの世界では「Webデザインを頼みたいけどどこで頼めばいいかわからない」という潜在的需要は、40代の周りには意外とあるんです。
その需要は、Webサイトの制作といった大きなものではないかもしれません。でも、ちょっとしたIT分野の手伝い、画像の加工だったり、SNSのレクチャーだったり、日々の仕事の中でITスキルを欲している人がたくさんいるはずです。
40代はセンスより作業スピードと真面目さを武器しよう
同年代の私が断言しますが、今の40代世代は氷河期&ブラック会社マンセーを乗り越えてきた世代なので、誠実で真面目な人が多いです。
その真面目さをいかして、とにかく誠実な仕事を続けましょう。誠実さはWebデザイナーにとって最高の武器です。
前職の強みを活かせないか考える
Webデザインというのは、お客様のWebサイトやWeb広告を作る仕事です。
なのでその業界を知っていることは、強みになります。40代ならいろいろなお仕事・人生経験をしてきましたよね。
仮にフリーランスWebデザイナーとして働くのであれば、自分の前職のジャンルを得意分野とすると良いでしょう。例えば看護師で働いていた人なら、医療・介護のジャンルを極める等。
Webデザインは単に見た目を綺麗にするだけでなく、コンテンツの見せ方の方が重要です。
前職の知識でクライアントに寄り添った提案ができれば、営業先は確実に増えていくと思います。
Webスキルを身につけると他の職場でも重宝される
学んだことは無駄になりません。仮にWeb業界に転職できなかったとしても、Webデザインのスキルは別の仕事でもきっと役に立ちます。
今やどのビジネスもネットとは切り離せないところにきています。あなたのWebデザイナーのスキルと知識が、その会社のためになる日がくるかもしれません。
40代でWebデザイナーに転職する方法
ここからは、40代実務未経験がどうやってWebデザイナーになるかについて解説します。
結論:40代ならWebデザイン専門スクールがおすすめです
40代は時間がありません。40代で本気でWebデザインでお金を稼ぎたいのであれば、Webデザインスクールに通うのが一番です。
若い人と違ってのんびり独学している暇はありませんので、効率重視です。一分一秒でも無駄にしてはいけない。
Webデザインスクールのメリットはたくさんあります
- 最短ルートで最新のスキルを手に入れることができる
- オンラインで自分の好きな時間に受講できる
- 卒業後に仕事を紹介してくれる、就職支援や副業支援あり
- 同じ仲間が見つかる
- 高い受講料を払っているからこそのモチベーションの維持
40代であろうと20代であろうと、学習する内容は一緒です。
Webデザイナーは残念ながら適当にやっていてなれる仕事ではありません。頭を使って手を動かして、ある程度は努力しなければWebデザイナーにはなれません。でもWebの勉強は楽しいです。楽しいから続けられます。
最短ルートで最新のスキルを手に入れることができる
40代にWebデザインスクールをお勧めする1番の理由はこれです。
Webスキルというのは、目まぐるしく進化しています。進化スピードはどの業界よりも早いでしょう。
しかしネットで独学をしようとしても、どれが最新の正しい知識かわかりません。もしかしたら一生懸命覚えた知識が古いものの可能性だったあります。
若ければ少しは回り道をするのもいいかもしれません。しかし最初に書いたように、少しの時間でも無駄にするのは勿体無い。
さらにいうと、40代は記憶力も作業能力も若い人には勝てません。なので、最低限の今必要な最新スキルを最短時間で学ぶことができる、専門スクールに行くべきなのです。
デザインスクールであれば、現場を知っている講師が今必要なスキルを教えてくれますし、ほとんどのスクールは初心者向けを謳っているので丁寧に無駄なく教えてくれます。
オンラインで自分の好きな時間に受講できる
40代からWebデザイナーを目指そうという人はいろいろな事情を持っている人が多いのではないでしょうか。今の仕事を続けながら勉強したいという人、家事育児の合間に勉強したい人、しばらく休職していたけど動き出したい人、40代は直接学校で学ぶ通学スタイルが合わないケースも多々あると思います。
ほとんどのスクールはオンラインで自分の好きな時間に受講することができます、育児ママ向けに特化したスクールもあります。隙間時間に勉強できるのは独学もそうですが、独学だと自分でカリキュラムを考えなくてはいけません。
デザインスクールなら割り当てられた授業を受けるだけで、確実に前に進むことができます。
就職支援・転職支援・副業支援の充実
これも40代未経験にWebスクールをおすすめしたい大きな理由のひとつです。
就職・転職支援では、スクール講師が面接の練習や履歴書の添削をしてくれます。また、そのスクール生にしか公開されない企業への紹介案件もあります。また、OBOGのコミュニティがあり生の声を聞くこともできます。
副業支援では、副業のスタート方法を教えてくれたり、実際に案件を受注して納品するまでの流れをリアルに支援してくれたりします。
また、キャリアアドバイザーによるカウンセリングを実施しているスクールもあります。
また、就職転職、フリーランスに欠かせないポートフォリオも、卒業試験としてしっかりと添削してくれます。自分の作品をプロがレビューしてくれる機会は、なかなかありません。
独学ではこれらの支援はひとつもなく、全て自力でやらなくてはいけません。
高い受講料を払っているからこそのモチベーション維持
40代でWebデザイナーを目指そうという方はそれなりに強い意志を持っていると思います。
しかし、日々の忙しさに流されてなかなか勉強が進まない、それほど40代の生活は忙しいと思います。
Webデザインスクールの授業料はけして安くありません。安くないからこそ、絶対に頑張ろうという気持ちになります。
おすすめのWebデザインスクールについは、こちらの記事でまとめてあります。
育児中ならママに優しい向けのスクールもおすすめです。
また、シングルマザーやシングルファザーならこのような制度もありますので、積極的に利用してみてください。
そうはいっても、どうしてもスクールには通いたくない、と言う人もいると思います。
なるべく効率よく独学でWebデザインの勉強ができるような記事も起こしました。
未経験者向けの独学での勉強方法やWebデザイナーになるまでのロードマップについてまとめてありますので、読んでみてください。
まとめ
40代のYouTuberやインスタグラマー、ブロガーでの成功者もたくさんいますよね。
その方達と比べても、40代でWebデザイナーになることはけして無謀な挑戦ではないと思います。
特にこれからは未曾有のIT時代がやってきます。
60代や70代の高齢者がエンジニアやWebデザイナーとして活躍するのが普通となる時代が、もうすぐそこまできています。
確かに努力は必要です。でもWebやデザインが好きでたまらなくて本気でやる気があるなら、Webデザイナーはあなたにとって天職になると思います。
おまけ:Webデザイナー以外の道について
動画クリエイターという道もある
40代未経験で言うと、実はWebデザインより稼げる可能性が高いのが「動画編集」のスキルです。
動画は、これからさらに伸びていく業界で、動画編集のスキルは年々需要が高まる一方です。
今は若い世代が中心ですが、これから中高年向けの動画はどんどん増えていくでしょう。
もともと高齢者と動画は相性が良いはずです、高齢になると画面の文字を読むのがしんどくなるので…。
なので、あえてWebデザイナーではなく、動画クリエイターを目指す方向もありです。
Webディレクターという道もある
もうひとつ、WebデザインではなくWebディレクターというキャリアチェンジもあります。
Webディレクターは、自分で手を動かさず、クライアントと制作スタッフの間に立ってプロジェクト全体を管理し、成功へと導く監督業のようなもの。
Webディレクターになりたければ、一番大事なのはコミュニケーション能力です。
Webディレクターの良さは、自分で作らなくてもクリエイティブ職に携われること。たWebディレクターはWebデザイナーほどの専門スキルは必要としませんので、Webデザイナーに挫折した人にもおすすめです。
40代でWeb業界未経験でもこれまでの仕事でプロジェクト管理や営業などをやってきた人であれば、未経験でも転職できる率が高いです。